日本では今年4月1日から、電力小売の全面自由化がスタートし、一般家庭が電気事業者を選べるようになった。大手電力會社が地域ごとに小売を獨佔していた時代が終わりを告げた。
日本の電力広域的運営推進機関がまとめた統計によると、4月1日現在、日本には家庭用電力小売事業を展開する各種産業の企業が270社あり、37萬8千世帯が大手電力會社との契約を解除して、別の電力事業者と新たに契約を結んだ。
日本の電力供給は長らく縦割り型システムで行われており、エリアごとに境界を定め、東京電力、関西電力、東北電力、九州電力などの10大電力會社が形成されていた。各社は発電、送配電、小売の各事業を高度に集中化し、規定されたエリアでしか小売はできず、電力価格は政府がコントロールするという、典型的な獨佔経営だった。2000年以後、政府は工場やデパートなどの大口需要者を対象とした電力市場の開放を段階的に進め、より多くの企業資本が電力供給事業に參入することを奨勵した。だが新規參入企業の佔めるシェアはわずか3%で、電力市場自由化の進展は遅かった。
11年に東日本大震災とそれに続く原子力発電所の放射能漏れ事故が起こると、火力発電が再び主力になった。その年の夏、日本は電力不足に陥り、電力価格も跳ね上がった。
日本政府は13年に電力システム改革を目指した「改正電気事業法」を可決し、電力改革の3本柱をうち出し、電力供給の市場化の加速を目指した。
この3本柱の1本目は広域係統運用の拡大で、エリアの枠を越えた電力需給調整システムを構築し、全國規模で電力インフラの相互連攜を強化することだ。日本卸電力取引所では夏の電力需要のピーク期におけるエリアの枠を越えた電力取引が行われている。2本目は小売參入の全面自由化で、発電事業と小売事業への參入を開放し、天然ガス、石油精製、通信など各産業の企業が産業の壁をうち破り、発電事業に積極的に參入するよう奨勵することだ。家庭用電力の小売を自由化したことは、2本目の柱が実質的な運用段階に入ったことを意味する。
新たに家庭用電力小売市場に參入した企業はお得なセット料金をあれこれうち出して顧客を呼び込もうとしている。3人家族が東京ガス株式會社とガス 電気のセット契約を結べば、年間8500円の電気代節約になるという。老舗の大手電力會社 東京電力は4月1日に新會社を立ち上げ、新しい市場環境に積極的に対応しようとしている。また日本では電気代比較サイトが多數開通し、自宅の郵便番號と普段の電力利用の習慣を打ち込むと、たくさんの電気事業者のいろいろなプランの中からふさわしいものを勧めてくれる。目下、電力企業がうち出すセット料金は電力需要の多い家庭向きで、需要の少ない家庭は恩恵を被ることができない。
現在の家庭用電力小売自由化では、まだ十分に自由な競爭が行われているとはいえない。新規參入企業は10大電力會社が掌握する電力網を通じて電力を供給するしかないからだ。日本の電力改革の3本目の柱は法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保で、18~20年をめどに電力網の分離を実現し、中立的な送配電プラットフォームを構築し、電力會社が公平な競爭を行えるようになることを目指す。これを土&として、電力小売価格の100%市場化を目指すという。
(人民網日本語版)
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