新華網ロンドン6月15日 (新華社記者/張建華)英國のオックスフォード大學で國際公法を研究する副教授で、國際海洋法の専門家、アントニオス・サナクプロス氏はこのほど、新華社記者の取材を受けた際に、南中國海仲裁裁判所がフィリピンの申し立てた南中國海仲裁案を受理した裁定は、多方面で説得力に欠け、仲裁裁判所の現在の同案件に対する説明には納得できないと述べた。
サナクプロス氏は南中國海仲裁裁判所は同案件を受理する裁定を下したが、この裁定は管轄権、主権、案件の受理可能性、中國が提示した排他的な聲明などの一連の重要な問題において、十分で説得力のある回答を提示していないと述べた。
『國連海洋法條約』(以下、『條約』という)によると、領土主権問題は『條約』の調整範囲を超越しており、仲裁裁判所は『條約』に基づき、領土主権問題を審理する権利がない。中國は2006年に『條約』第298條の規定に照らして、排他的な聲明を発表した。聲明は海洋境界畫定、歴史所有権、軍事行動、行政法執行などの問題に対する強制的な紛爭解決手続きの適用除外について記述している。
サナクプロス氏は仲裁裁判所はかなりの程度において、フィリピンが申し立てた仲裁事項は中國が発表した排他的聲明を何故、超越できるのか、同案件における仲裁事項は何故、主権と無関係なのかという疑問に対して説明を行っていないと見做し、また次のように述べた。「私が見る限り、これらの事項は主権と関係する。」「仲裁裁判所が提示した裁決を見ると、仲裁裁判所の上述した問題に対する判斷は説得力に欠ける。」
サナクプロス氏は南中國海問題の解決については、中國が提示した「紛爭を棚上げし、共同で開発する」ことが最も良い方法だと考えている。
(新華社より)
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