パリで129人が死亡する「前代未聞のテロ事件」が発生した後、パリは直ちに緊急事態宣言を出し、歐州全體で容疑者の緊急搜索を開始した。しかしこの深刻なテロ事件がもたらす影響は、このレベルに留まらない。ここからは世界情勢に起こりうる4つの変化を見ていこう。
【フランスの安全政策がより積極的に?】
フランスのオランド大統領はテロ事件発生後、フランス本土とコルシカ島が緊急事態に突入したと発表し、人員の流動を禁止し、安全保護エリアを設置し、國境の監視を再開することを認めた。パリのあるイル=ド=フランス地域圏は安全レベルを全面的に引き上げ、1500人の兵士を安全保障の強化に當たらせている。安全當局は危険行為に手を染めた人物を軟禁し、イベントや會議の場を一時的に閉鎖し、行政搜查権を行使できる。
オランド大統領は緊急閣議後の記者會見で、「戦爭行為に対して、國は適切に行動しなければならない。フランスはイスラム國に容赦しない」と発言した。多くのコメンテーターはこの発言を受け、フランスがより積極的かつ能動的な安全・テロ対策に乗り出すと判斷した。
【米露が対立から協力に?】
パリのテロ事件後、米露が対立を協力に転じられるかが注目を集めている。第2回シリア問題外相會議が14日にウィーンで開かれた。各國はシリアの協議を継続することで合意した。
パリのテロ事件による影響か、各國はデ・ミストゥラ國連事務総長シリア問題特使に対して、今年12月中にシリア反対派のリストを提出するよう求めた。
米露がシリア問題で対立を協力に転じられれば、ロシアがウクライナなどの問題で受ける圧力が弱まることになる。しかし米露は數多くの問題で異なる立場と観點を持つことから、雙方がシリア問題で協力したとしても、その程度は限定的だ。
【イスラム國への攻撃を拡大?】
パリのテロ事件後、米シンクタンク「ブルッキングス研究所」のテロ対策専門家、 ブルース・リーデル氏は、「今回のテロ事件は、分水嶺となる事件だ。これまで人點はイスラム國が地域內に注意を向け、世界的な拡張には目を向けないのではと議論していたが、今回のテロ事件によりこの議論にはほぼ終止符が打たれた」と述べた。
米國の國內では、イスラム國への攻撃拡大を迫る聲が強まっている。上院情報特別委員會のメンバー(民主黨所屬)は、「イスラム國が海外に拡張しているのであれば、米國は攻撃を拡大し、自分のことで手一杯にさせるべきだ」と指摘した。
米國メディアによると、米國はすでに同盟國と連攜し、イスラム國への攻撃を拡大している。英國のキャメロン首相も、イスラム國への空爆を拡大する意向を示しており、議會と立場の調整に取り組んでいる。
【歐州が難民政策を引き締め?】
フランス當局が発表した情報によると、パリのテロ事件のうち少なくとも1人が、10月にシリア難民として入國した。ギリシャはフランスの要請を受け、10人の容疑者の身分を特定しようとしている。うち1人は10月3日にギリシャ國內に入り、EUの規定に基づきシリア難民として登録されたことが確認されている。
この情報は歐州で直ちに、難民問題に関する議論を起こした。特にドイツ政府は、國境地帯の監視措置を延長することを発表した。だがメルケル首相は、今回のテロ事件がドイツの難民政策を変えることはないと表明した。
しかし多くの観測筋は、歐州の難民に対する民意に変化が生じ始めていることに気づいている。1−2ヶ月前の報道では、難民が手厚くもてなされているという內容ばかりだったが、現在は「難民」に「危機」という言葉が結び付けられている。ドイツなどの政治家も、難民の殺到に抗議する多くの市民からのEメールを受信している。歐州の難民政策が短期間內に変化しないとしても、管理措置が厳格化されることはほぼ間違いない。
(チャイナネット)
関連記事:
