中國の習近平國家主席はこのほど英國への公式訪問を終え、中英関係は開放的、持続的、ウィンウィンの「黃金時代」を迎えた。數日後の29日には、ドイツのメルケル首相が中國を公式訪問する。メルケル氏の訪中は首相就任後8度目となり、西側諸國の元首・首脳のうち、在任期間中の訪中回數が最多となる。(文:華益文・國際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
英國とドイツはまるで「先を爭う」かのように、積極的に対中関係を発展させている。そんなことを考えた時、ふと中國の隣國・日本のことが思い浮かんだ。中日関係は過去數年間、國交正常化以來最も厳しい局面を迎えている。中日関係と、英獨の対中関係を比べると、その差は歴然だ。このような対比を行うのは、日本と英獨両國が重要な部分で似通った面を持つためだ。私はどうしても疑問に思わざるを得ない。対中関係において、英獨にできることが、なぜ日本には出來ないのだろう−−?
歴史問題に関しては、ドイツと日本を比較することが出來る。日本とドイツはかつて、侵略・大虐殺の罪を犯し、人類に大きな災いをもたらした。ドイツは戦後、歴史を正視し、誠実かつ真摯に反省を続けた。西ドイツのヴィリー・ブラント首相は、ユダヤ人ゲットー跡の慰霊碑にひざまずいて謝罪をし、戦時中の敵國と和解を実現した。ドイツは歴史の重荷を下ろし、身軽な體で歐州一體化に參加、大きな発展を実現し、責任ある大國の地位を確立した。これに比べ、誤った歴史観を持つ日本は、よからぬ道に進もうとしている。歴史問題は中日関係発展を妨げる大きな問題の1つとなった。歴史問題をいかに捉えるかという問題において、ドイツは日本に良き手本を示したと言える。
中國に対する態度に関しては、共に米國の同盟國である英國と日本を比較することが出來る。英國は米國の伝統的な確固たる同盟國だ。米國も、英國と日本をヨーロッパとアジアの最も重要な同盟國と考えている。しかし、だからと言って、英國と日本が中國と密接な関係を築けないというわけではない。英國は西側諸國の中で、率先して中國が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創始メンバーに申請した。キャメロン首相を含む英國政府の高官は近頃、「英國は中國にとって西洋の最も確固たる支持者、最も開放的な協力パートナーだ」と何度も表明している。キャメロン政権の中國に対する積極的な態度には、戦略的展望と政治的な勇気が反映されている。これに比べて安倍政権は、AIIB問題で米國側につくことを選び、狹隘で短絡的な視點で中國を捉え、米國とともに「中國脅威論」を振りまくことで、自國の軍事安全政策調整の道を開こうとし、中日関係をより一層複雑にしている。
対中関係の歴史という観點から見ると、ドイツと英國はいずれも日本と比べられる。ドイツと英國は數年前、中國と摩擦を起こした経緯があり、対中関係が一時は冷え込んだこともある。しかしその後、雙方の共同の努力によって、両國の対中関係は徐點に好転した。英獨両國は、中國との意見の相違よりも共通の利益のほうがはるかに大きく、積極的に協力し、意見の相違を穏健に管理することで、雙方に互恵・ウィンウィンの利益がもたらされることに気づいているのだ。
対中関係の発展において、日本はドイツと英國に學ぶ必要がある。現在日本に最も不足しているものは何か?傅瑩・全人代外事委員會主任委員(元外務次官、駐英大使)は、ここ數年間、日本の政府高官や學者と接觸した感想として「彼らは耳を持たないかのようだ。人の話に耳を傾けようという気が感じられない」と語った。実際、日本には「耳」だけでなく、戦略的な「目」も不足している。そして、中國と協力・ウィンウィンを実現しようという「心」はもっと欠けている。
ドイツと英國の対中関係の発展を目にしても、日本は何も感じないのだろうか?
(人民網日本語版)
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