
中國人民銀行(中央銀行)は24日付けで基準金利と預金準備率を引き下げ、実體経済への金融支援を拡大すると発表したことが市場で注目されている。同時に預金金利の上限規制を撤廃したことが、中國の金融改革、経済制度改革の新たな進展として注目に値する。
約20年の努力を経て、銀行の預金貸出金利がほぼ自由化され、商業銀行と農村合作金融機関などが預金金利を決める際の上限規制が撤廃された。これは金利の市場化改革が約20年を経て、要となる重要な一歩を踏み出したことを意味する。人民銀貨幣政策司の李波司長が語った。
中國の金利市場化は1996年から徐點に進められてきた。銀行間コール市場の金利自由化に始まり、徐點に難易度の高い改革を推進、2013年には貸出金利の自由化を実現した。今回の改革が行われるまでは、普通預金と期間1年以內の定期預金の金利について上限を基準金利の1.5倍とする規制だけを殘しており、金利自由化まではあと一歩のところまで來ていた。今回は銀行が預金金利を決める際の上限を設定しないことになったことで、預金金利の上限規制が終に撤廃されたことになる。
世界を見渡すと、金利の市場化実現にはひとつのプロセスを経ることが必要となっている。米國のような先進國でも、金利の完全自由化が実現したのは1980年代になってからだ。
李波司長は、今回の改革に至る20年で、中國の貸出金利市場化は100%、預金金利市場化も90%実現していたと分析する。この時期の改革発表については、條件が備わり、金融機関、企業、住民が市場化された金利に適応できる環境が整ったためだと指摘。特に、現在は金利が低下サイクルに入っているため、改革の好機といえる。利下げとの同時発表については、金利の市場化當初に起きやすい金利の上昇を抑えることが可能となる。そのため、この好機を捉えて「要の一歩」を踏み出したとしている。
今回の預金金利の上限撤廃は、一般市民や企業にどう影響するのか?
清華大學経営學院の李稲葵教授は、庶民にとっては金利の市場化で預金など銀行サービスの選択肢が増えると指摘。現在、各行の預金金利はほぼ橫並びだが、今後は預金金利を引き上げる銀行が出てくる可能性もあるため、庶民にはメリットがあるという。
企業については、近年の資金難や資金調達コスト高騰問題がある程度和らぐ可能性がある。上海交通大學上海高級金融學院の朱寧教授は、金利の市場化は、銀行の運営効率向上、リスクコントロール強化につながるため、実績があり成長見通しの明るい企業は、金融機関からより高いサービスを受けられると分析している。
(チャイナネット)
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