ロシアのヤロスラヴリ國立師範大學は、ロシアにおける言語學の地域研究センターの役割を果たしている。同大學が最近発表した調查報告「漢字文化:中國語のロシアにおける発信動向」によると、ここ10年間で中國語を學ぶロシア人が約3倍にまで増加し、1997年に約5000人だったその數は、07年に1萬7000人に増加し、17年の時點で5萬6000人にまで増加したとしている。人民日報が報じた。
同報告の調查・研究によると、ロシアで中國語を學ぶ主な場所は大學であり、中國語學習者全體の39%が大學で學んでいる。以下、中學・高校31%、言語クラス25%、中國孔子學院(中國政府が中國語や文化教育を広めるため世界各地で設置している公的機関)5%と続いた。ここ20年間で、中國語人材を育成する大學も目に見えて増加している。97年に中國語クラスを開設している大學は18校だったが、17年にはその數が179校にまで増加した。また、中國語クラスの開設を申請する私立の學校の數も毎年3%のペースで増加している。
ロシア高等経済大學國際金融・政治學院で働いているスヴェタさんは、このような変化を身をもって感じている。スヴェタさんがモスクワ大學アジア・アフリカ學院に入學した04年、中國語を勉強している人はまだ少なく、クラスの中にも數人しかいなかったという。また、関連教材も少なかった。學部を卒業した後、スヴェタさんは中國に留學し、中國で修士號、博士號の學位を取得し、昨年モスクワに戻った。現在、スヴェタさんは大學で中國語を教える講師として、3クラスを擔當している。各クラスの生徒は約10人。その大學には、中國語教師だけでも15人おり、そのほとんどがロシア人で、中國人教師は3人だけだという。彼女は、「現在は、中國語関連の教材もとてもバラエティに富んでいる」と話した。
ロシアで中國語ブームが巻き起こっている主な原因は、ロシアと中國の関係が日増しに密になり、両國間の人員、文化交流も日に日に増加しているだけでなく、両國の貿易も盛んになり、ビジネスや仕事でも中國語を話せる人材のニーズが高まっていることなどが挙げられる。
ロシア経済発展部(省)が今年6月に公開した統計によると、ロシアの連邦構成主體の一つである沿海地方だけでも、中國係の企業が208社ある。そして、両國の往來は大幅な増加をみせており、16年通年でロシアを訪問した中國人観光客の數は前年比15%増の延べ107萬3000人に達した。一方、中國を訪問したロシア人観光客の數も31%増の延べ118萬3000人に達した。
ロシアでは、中國語クラスを開設している大學が100校以上あるだけでなく、モスクワ、サンクトペテルブルク、カザン、極東ロシアなどの小學校、中學校、高校なども中國語の授業を採用しており、中國語関連のコンテストやイベントも日に日に増加している。スヴェタさんが初めて中國語に觸れたのも中學校の中國語の授業だった。現在、中國語を第二言語として學ぶ學生が日増しに増えている。
ヤロスラヴリ國立師範大學の同報告は、27年までに、中國語を學ぶ中高生の數は今の1萬7000人から少なくとも2倍は増えると予想している。また、20年までに、ロシアは中國語を外國語として國家統一試験に盛り込むだろうとも予測している。
(人民網日本語版)
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