孫寧さん(音訳)は北京市の四環路を運転しながら「今から10年前、ここには何もなかった」と話す。そして彼のフォルクスワーゲン・ビートルのハンドルをきって、ある小區(団地)へ入っていく。車窓から見えるのは、連なるマンション群。「數年前、ここはただの空き地だった」と話す孫さんの聲は興奮の色を帯びていた。獨日刊紙「ディ・ヴェルト」の報道を引用して參考消息網が伝えた。
中國の新しい建築物についてドイツ係の外國人が語るとしたら、きっとこんな風になるに違いない。
「數年前、ここは古くからある胡同(路地)だったが、不動産デベロッパーが進出し、全て取り壊した。歴史的建築物など全くお構いなしだ。都市は大きくなる一方だが、不動産価格も上がり続けた。三環路と四環路の間にある住宅は、中産階級にとっては手も出ない高嶺の花」。
この點に関しては2種類の異なる見方が存在する。1つは経済を急速に成長させ、富や多くのチャンスを創造した新興工業國家という內部からの見方。もう1つは過去の過ちから教訓を學びとれると確信している富裕社會という外部からの見方だ。しかし後者はポジティブな視點で未來を見據えるということを忘れてしまっている。
そして孫さんが北京市の北部を車で通過した際にその変化に対して見せた純粋なまでの「喜び」を中國では隨所で目にすることができる。
中國人の生活の質は「発展」というよりも「飛躍」と言えるような変化を遂げた。土煉瓦でできた住宅からトイレ付きのマンションに、自転車から高速鉄道に、そして固定電話すらなかった時代からモバイル端末による微信(Wechat)まで、その進歩は抽象的な概念に留まらず、非常に具體的なものとして人點の前に現れている。そしてそれは一世代かけての進歩というのではなく、わずか數年のうちに起こったのだ。
そのため、世界各國の國民の満足度を評価する研究者たちが、すでに數年も前から、中國人を世界中で最も幸福だとしていることも、何ら不思議ではない。5分の4の中國人が「自分の子供は自分よりも良い暮らしをできる」と信じており、この結果は、歐米と全く対照的な結果となっている。世論調查によると、歐米では「自分の子供の暮らしは、今より悪くなる」と予想する人が圧倒的多數を佔めている。
このような危懼の原因として、1980年代は核兵器と酸性雨、1990年代は高い失業率、そして現在は人口構造の大きな変化を挙げている。危懼する原因は常に変化しているが、その懐疑的な態度だけは変化しないままだ。
ドイツは、中國をもっと見習うべきだろう。もっと楽観的になり、変化に対する意欲を持ち、冒険的精神を持つべきではないだろうか。それはドイツをより幸せな國にするだけでなく、社會と経済のエネルギーを放出していくことにつながるだろう。
(人民網日本語版)
関連記事:
