更に、絶対的な安全性を一方的に追求することは現実的ではなく、それは地域の安全上の苦境を悪化させるだけだ。韓國が自國の安全を求めるのは強く非難すべきではないが、上世紀90年代半ば以降に形成された朝鮮核問題のプロセスにより、すでに次のことを証明されている。絶対的な安全性を一方的に追求することは現実的ではなく、その結果として地域の安全上の苦境を悪化させるだけだ。朝鮮半島の核問題解決の根本的な活路は、地域の長期的な協力と対話により最終的に形成された新しい共通認識やウィンウィンを勝ち取ることにある。地域の調停プラットフォームや國際での努力を放棄し、対抗や軍事力の優勢の求めを頼りにすれば、危機を緩和するのではなく悪化させることになるだろう。
最後に、「THAAD」システムの配備は韓米、韓中関係にとって無益であること。韓米は1953年に軍事同盟関係を確立したが、実際には韓國と米國の同盟國関係は平等なものではなく、米國が対韓の防衛義務を擔う前提として、韓國軍の戦時作戦統制権を握っている。冷戦後、韓國は韓米同盟は「価値同盟、相互信頼同盟、和平同盟」の三原則を基礎にするべきで、各分野の共同利益を拡大し、また戦時作戦統制権移管の問題を検討し、より平等な同盟関係を勝ち取ることを提起した。しかし、「THAAD」システムの配備は明らかに韓國が想定した韓米関係の発展の方向とは相反しており、韓米同盟を「アジア復帰」の戦略配置に陥れさせるだけでなく、韓國の今後の安全を米國の戦略システムや安全の枠組みにいっそう依存させる恐れもある。韓國の安全が米國の戦略と関連付けた結果、韓國自身の獨立性が制限され、安全の自主権が弱體化される恐れがあると斷言できる。
韓國が「THAAD」システムの配備を発表したことは伝統的な同盟という従來の道に再び戻るのと同様で、中國・韓國がすでに形成した良好なインタラクティブを破壊した。 米國が「THAAD」システムの配備を決定したことにおいて、韓國が偏向的な策略を講じれば、きっと中韓関係の完全性や成果の獲得が容易でない良好な発展の勢いが深刻に損なわれるだろう。
(作者は中國社會科學院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の韓鋒氏)
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