
リニューアルした「解放靴」。
どうして中國製品が海外で人気になったのか
2003年、上海で石油化學ビジネスを開拓していたアメリカ人、ベン ワトソン氏は、中國では多くの労働者や農民が、シンプルな緑色のゴム靴、つまり「解放靴」を好んで穿いているのに気付いた。彼は、この2ドルもしない靴を店で一足買ってみた。そこには「天狼製造」と印刷してあった。その後、友人の協力により、河南省の焦作溫県にある「天狼製靴工場」を探し當てた。そして海外向けの解放靴を生産する提攜を結んだ。同様に「回力」も、フランス人のパトリース バスティアン氏が2006年に上海の街で不意に見つけ、海外で売り出した。
「回力シューズ」や「解放靴」が海外で受け入れられたのは、當然ながら外國人を惹きつける特徴があったからだ。それらは耐久性があり、品質もアディダスやナイキといったブラントと比べても遜色がない。販売戦略もファッショナブルなカジュアルブランドとして位置づけ、現代人のニーズやセンスに合わせた。シンプルでラフなセンスは海外でますます流行しており、回力や解放靴の持つシンプルなスタイルはそんな潮流にぴったりマッチしたのだった。
商機は眼前に橫たわっていたが、ほとんどの中國人はそれに気づかなかった。むしろたまたま中國にやって來た外國人が気づいたのだった。これは中國人に商売のセンスがないことを意味するわけではなく、視野の広さに限りがあるためである。海外に長く生活したことがなければ、外國人のセンスを理解することはできない。國外に出たことがない中國人ならなおさらである。どの商品が外國人に受けるかが判斷できないのも當然のことである。
他にも、中國人は自國で生まれ育った商品に自信がないことも挙げられる。我點は、外國人が中國の商品に惹かれるのは安いからだと思ってきた。現在、「外國の物こそいい物だ」という観念をいまだ多くの中國人が持つ。海外崇拝は減じていないのだ。「百雀羚」や「大寶」といった、安くて良い國産化粧品が、海外で評判なのに國內ではパッとしない理由もここにある。












