フィリピンの一部の識者は8日、次期大統領のドゥテルテ氏に対し、南海係爭問題の交渉による解決に向けて、中國との対話を一日も早く行うよう働きかけました。
フィリピン外務省海事センターのアルベルト・エンコミエンダ元事務局長は、「新政府は常設仲裁裁判所の判決をおとなしく待っている必要はなく、提訴を取り下げることを考慮に入れても良い。提訴取り下げはフィリピンの國家利益に合致するものであり、恥をかくことにはならない」と指摘しました。
また、同國のヴァルデス元教育次官は、「常設仲裁裁判所はがフィリピンに有利な判決を下しても、フィリピンはそこから実利を得ることはないだろう。そうなった場合、狀況は悪化するだけだ。判決は南海情勢の更なる緊迫化を招くだけだからだ」との考えを示しました。
また、フィリピン大學のアイリーン・バウィエラ教授は、「対話こそが中國とフィリピンが相互信頼を取り戻す道筋だ。そうしなければ、フィリピンに安全面の利益を侵されるという中國側の不信感を払拭できない」としています。
中國外務省は8日聲明を発表し、「フィリピン側の一方的な行動に斷固として反対する。仲裁裁判には応じず、仲裁は受け入れないという確固たる立場が揺るぐことはない」とした上で、「2國間の交渉を通じて、両國の南海における係爭の解決に取り組んでいく」と強調しました。
(中國國際放送局)
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