近年、観光市場は良いニュースが多い。イギリスのキャメロン首相はショートSNSで、「來年1月より、イギリスはヨーロッパで最も良い対中ビザ政策をスタートさせる。中國人観光客に2年間のマルチ入國ビザを発行し、また、10年マルチビザに拡大することも検討する。それにより中國人観光客の訪英を促す」と発表した。同日、「中國人のビザ免除に関する大統領令にプーチンがサインした」というニュースもネット上に流れた。ネットユーザーは「中國のパスポートはますます価値が高まっている。どの國も中國人を集めようと必死だ」とコメントしている。
ニュースが伝わると、旅行サイトもイギリスツアーやロシアツアー商品の準備を開始した。売り切れ禦免の「1元英國ビザ」活動を行うサイトもあった。しかし、ロシアのビザ免除ニュースは正確なものではなかった。ロシアのビザ免除政策は検討の最中であり、実現するにはまだ時間がかかりそうだ。
多くの観光客にとって、イギリスはややハードルが高い。「イギリスはシェンゲン協定加盟國ではない。もし我點がイギリス・ヨーロッパ橫斷のツアー商品を作る場合、2種類のビザを申請することになる。“イギリスビザ+シェンゲンビザ”だ。手続きが面倒なだけでなく申請費用もバカにならない。一般的なヨーロッパ旅行商品は、オランダ・フランス・イタリア・スイス、ドイツ・フランス・イタリア・スイスなど。シェンゲンビザを取るだけで済むからだ。特に、初めてヨーロッパ旅行をする中國人観光客で、イギリスを選択する人は少ない」と、杭州市國際旅行社、出國センターの唐文卿氏は述べる。「昨年末、アメリカが中國に10年有効のビザを発給した。この新政策の観光市場への影響はやはり大きかった。しかも太平洋航路は増加を続け、アメリカ行きの費用も安くなった。これが中國人のアメリカ観光熱を刺激した」と同氏は述べる。また同氏は、「やや一般的なアメリカ東西海岸のツアー商品以外に、我點は低予算の顧客のために個人旅行商品も用意している。価格は1萬元前後。もしイギリスが數年のマルチビザを発給することになれば、人気旅行先のダークホースになる可能性がとても高い」と解説する。
ある有名なネット旅行サイトの統計データによると、先日の國慶節期間中、イギリスは人気海外旅行先で16位だった。ヨーロッパだけで見るとイタリアやフランスなどより下位で、観光客數で2倍から3倍の開きがある。10年ビザを出しているアメリカの人気は大幅に上昇し、韓國や日本、タイの三大人気アジア諸國の次に位置している。
イギリス観光局の統計データによると、対中國人観光ビザの発行數は5年前と比べて3倍近く増加している。2009年には11萬5000件だったのが、2014年には33萬6000件になった。また中國人観光客はイギリスに訪れる世界の観客の中で消費額が最高であり、1人當たりの平均消費額は2688ポンド。平均の4倍である。
中國投資顧問の高級研究員である薛勝文氏は、イギリスが中國人に対し観光ビザの新政策を発表した背景には同國の経済低迷があり、観光業の振興によって消費経済を成長させたい狙いがあると指摘する。そして近年、中國の海外観光は非常に勢いがあり、今回のビザ措置はイギリス観光業に大きな促進作用をもたらすと分析する。「注目すべきなのは、中國人観光客を惹きつけるために、他の多くの國家でも同様のビザ緩和策を採っていることだ。イギリスはビザの緩和以外にも、中國人観光客を惹きつけるため、彼らに対するサービスを高めようと努力している」。
(チャイナネット)
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