【新華社蘭州2月21日】中國甘粛省の蘭州大學草地農業生態係統國家重點実験室の賀金生(が・きんせい)教授率いる研究チームが主導した最新研究で、気候変動が寒冷高地の草地の植生生育に影響を與えるメカニズムが明らかになった。
賀氏によると、青海チベット高原はこの50年間、世界平均の2倍となる気溫上昇過程と著しい降水構造の変化を経験した。長期にわたる急速な気候変動が、寒冷高地の草地の植生生育に與えた影響を解明することは、寒冷高地生態係の炭素・水・エネルギーのバランスや季節動態の深い理解だけでなく、高原地帯の牧畜民の生産生活や大量の野生動物の生息・保護とも密接に関係している。
これまでの衛星リモートセンシングデータの研究によると、寒冷高地の植生では春の生物季節が早まっていることが明らかになっているが、関連研究は長期的な野外観測データが乏しく、気候変動が寒冷高地の植生生育に與える影響がわからないため、寒冷高地の植生生育予測には大きな不確実性が生じている。
賀氏によると、蘭州大學草地農業生態係統國家重點実験室は北京大學都市・環境學院、中國科學院西北高原生物研究所などと協力し、青海海北高寒草地生態係統國家野外科學観測研究ステーションに依頼し、1980~2014年の寒冷高地の草地における植生生育に関する長期的な動態観測を実施。気候変動が同地の植生生育に影響を與えるメカニズムを明らかにした。
研究の結果、1980~2014年の間、気候溫暖化が寒冷高地の植生生育期をさらに早め、春のバイオマス生産を増加させたことがわかった。生育期の生育速度が早くなり、土壌の水分不足が生育期の終了を早め、秋のバイオマス生産の低下を招いたが、植生の年間バイオマス生産に明らかな変化がなかったことも明らかになった。これらの発見は、寒冷高地の草地における植生生育の長期的変化に直接の証拠を提供し、季節の前倒しと成長加速が地球溫暖化の下で植生生育構造を再構築したことを示した。
研究グループの5年間の関連作業によると、地上と地下の生物多様性が青海チベット高原の寒冷高地の草地における生産力安定性の維持に重要な役割を果たし、気候溫暖化が同地の生産力安定性を低下させたことも明らかになった。
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