
成都中醫薬大學醫史博物館に展示されている復刻された「老官山醫簡」(成都=新華社記者/董小紅)
【新華社成都10月1日】古代中國の伝説的な名醫・扁鵲(へんじゃく)の著作はこれまで、古代醫學文獻の中には基本的に殘っていないとされてきた。だが、四川省にある成都中醫薬大學の研究チームがこのほど、5年にわたる研究の末、扁鵲の存在を証明する証拠を発見した。これにより名醫は「伝説」から抜け出した。
同大學の梁繁栄(りょう・はんえい)、和中浚(わ・ちゅうしゅん)、李継明(り・けいめい)、任玉蘭(にん・ぎょくらん)の各氏ら30人余りの中國醫學者と古典文獻學専門家の教授らから成る「老官山醫簡」研究チームは、5年に及ぶ研究の末、成都市北郊の天回鎮にある前漢時代の墓「老官山漢墓群」から出土した醫學に関する竹簡に記載された全ての文字を解読し、注釈を完成させた。関連研究成果は年內に出版される予定。
同大學國學院の李継明元院長は「これらの貴重な醫學資料によって、中國醫學の歴史が400年早まるかもしれない」と語った。2012年、「老官山漢墓群」から920本余りの醫學竹簡と漆器製の人體経穴模型1體が出土した。これは中國の考古學史上、最も內容が豊富で體系が整った、理論的・臨床的価値の高い古代醫學文獻となっている。
李氏は「竹簡には『敝昔』の2文字が何度となく出てくるが、これは古代の『扁鵲』の當て字だ」と説明。醫簡の出土に中國內外が沸き立ち、日本や米國などの専門家も成都で関連研究をしたがっていると明らかにした。
研究者らは、これらの醫簡は前漢時代に書き寫されたもので、記載された人名や地名、內容などから、この書簡の編纂年代は扁鵲が生きていた時代から遠くない戦國時代後期と推定している。(記者/董小紅)
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