【新華社東京1月19日】政府は東京23區內の大學の定員増を原則として10年間認めず、地方の大學の発展を支援する交付金を創設する方針であることがこのほど判明した。首都圏に大學生が過度に集中する現狀を是正し、地方の人口流出を減速させることで、地域間のバランスの取れた発展を促進する。政府筋が明らかにした。
▽地方人口の流出減速目指す
日本の大學生は主に首都圏に集中している。政府の統計によれば、全國の大學生287萬人うち、約40%が首都圏の大學に通っている。中でも東京23區の大學では全國18%の學生を受け入れており、地方の受験生の主な入學先となっている。
地方の學生が東京の大學に入り、卒業後も首都圏で就職すると、地方の人材流出を招くことになる。総務省が発表した人口移動報告によると、2016年の地方の人口は引き続き減少しているが、東京エリアの人口は21年連続で増加しており、地方からの人口純流入數は12萬人近くに達する。
東京経済大學教授で、雲河都市研究院の周牧之院長はこの問題に対し、地方では「人がみな首都圏に行ったら、我點地方はどうすればいいんだ」との聲が強いと語る。
共同通信は政府筋の話として、政府は東京23區の國公立や私立大學の募集定員拡大を、留學生や社會人教育を除き、原則として今後10年間認めない方針を決定。2月の閣議でこれを了承し、大學生の東京への一極集中を転換したい考えと報じた。
▽地方の魅力を拡大
東京23區の大學定員増を禁止する措置は、地方大學への振興策であり、若者の地方での就労を促進する狙いがある。
周牧之院長は「日本の人口は減少しており、大學受験者數も減少している。このまま行けば地方の大學、中でも地方の私立大學は真っ先に経営危機に直面する。安倍首相は地方の大學が存続し、受験者數が増えることを望んでいる」と語った。
共同通信によると、安倍內閣は地方大學振興のための交付金制度を創設する考えだ。
この制度は、地方の大學と自治體、企業が三者合同で地方大學振興に向けた推進會議を立ち上げ、地方の主要産業における専門的な人材の育成を推進するもので、國や地方自治體に対し、若者が地方で就労するための政策上の支援を求め、大學や雇用者にも協力を求めるという。
周氏は「この政策の出発點は、東京への人口流出の制限ではなく、地方都市の魅力を高め、若者を引き寄せ、留めることだ」との見方を示す。
日本の政治、経済、文化の中心である東京は、全國の「ヒト、モノ、カネ」を引き寄せ、結果として地方の経済発展を阻害した。地方都市は長きにわたる人手不足で経済が停滯し、人材流出や投資減少など悪循環に陥る危険に面している。また、東京では地方出身の若者に大きなプレッシャーがかかり、晩婚や非婚、結婚しても子供を持たないという傾向が高まった。これでは日本の少子高齢化問題解決につながらない。
▽その効果は未知數
東京23區の大學定員増を禁止する措置に対し、127大學が加盟する日本私立大學連盟は「學部學科増設制限や募集定員拡大禁止は人材育成を妨げる」と反対意見を表明した。東京のある私立大學は「社會や産業構造は10年で大きな変化を遂げる。10年禁止というのは長すぎる」と訴えた。 今回の措置は、これまでの「衛星都市」や「副都心」開発といった1950年代から続く日本の首都規模抑制や首都機能移転政策の継続と見ることもできる。
日本はかつて、東京にあった工場や大學を他県に移転させた。都心にあった東京教育大學は1973年に茨城県つくば市に移転し築波大學と名稱を変更した。現在では日本最大規模のキャンパスを誇る大學となっている。
中國社會科學院世界経済・政治研究所の陳哲博士は「20世紀末まで、日本政府は首都圏基本計畫を5回にわたり策定した。問題の核心と難點は、依然としてさまざまな資源の東京への過度の集中にある」と分析する。また日本人にとって「長期的で複雑な問題であり、今なお完全には解決されていない」と述べ「総合的に見れば、東京が持つ、産業構成や都市機能、空間利用、交通システム管理などの面でのコントロール力は、北京など中國の大都市にとって學ぶべき點は今なお少なくない」との考えを示した。(記者/劉秀玲、馬曹冉、胡若愚)
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