中國銀行の元シニアエコノミストである曹遠徵氏は、先日ロンドンで行われたインタビューで、中國経済の見通しについて「中國経済は現在、調整段階にある。経済規模が大きいため、6.9%の成長率で得られる金額の実數を考えると楽観的だ」と述べた。また、中國経済は確かにいくつかの問題を抱えているが、それに対応する能力を中國は十分持つとの見方を明らかにした。
曹氏は、中國の経済成長が減速した理由は主に4つの構造的問題があると考える。第一に、外需が不振であること。これは外需頼みの経済構造から內需拡大の経済構造に変化しているためである。第二に、中國の労働コストの上昇が製造業のコスト競爭力を弱めていること。これはイノベーション重視に変えていかなければならない。第三に、中國の人口構造に変化が生じていること。高齢化が進み、醫療や老後のコストが上がっている。それが貯蓄率の減少につながり、投資による成長から消費による成長に変化している。第四に、資源環境に費やすコストが上昇していること。低廉な資源環境コストによる成長はもはや見込めない。以上のことから、中國経済の減速は短期的、周期的なものではなく、傾向的なものである。それは、ある國の経済が発展するにあたって必然的な流れでもある。
同氏は、どんな経済體でも成長が一定程度続けば、成長が緩やかになる段階が訪れると指摘する。たとえば日本や韓國だ。中國経済は今でも高い成長率を維持している。今1%成長すれば、それは5年前の1.5%の金額にあたる。10年前なら2.6%だ。実數が多ければ多いほど成長率は下がるものである。しかし1%の成長で生まれる數字はとても大きなものだ。現在7%の成長率ならば、それは5年前の10%の金額にあたる。
中國経済には確かにいくつかの問題が存在する。中國経済について國際社會が心配するのは主に2つのことである。第一に、経済減速が雇用問題を悪化させるのではないかということ。第二に、債務の持続性など、システムリスクが生じるのではないかということである。これについて曹氏は、「中國経済について國際社會が心配することは、要するに中國は今後も安定的な成長が可能なのかどうかということだ。第一に、中國経済が6%以上の成長を維持する限り、毎年の新たな雇用機會は1000萬人以上に達するだろう。十分に雇用を吸収できる。今のところ、中國の経済成長が6%以下になりそうもない。そのため十分な雇用機會が保障されている。第二に、中國政府の債務はGDP比で見れば世界最低水準にある。EUの基準によれば、政府債務はGDPの60%を超えてはならないとされている。しかし世界で中國だけがその基準を満たしている。わずか40%だ。また中國は財務稅制體制改革を行い、中央政府と地方政府の財政支出の関係を再定義した。中央政府が債券を発行することで、返済期限問題を解決し、銀行の貸し倒れを防ぐ。民間資本の參與を通じ、政府と社會資本の協力(PPP)を発展させる。プロジェクト自體の収益で債務を償還し、プロジェクトの融資手配を行う。これらから、2つのリスクは回避できる」と述べた。
(チャイナネット)
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