中國國家統計局サービス業調查センターと中國物流購買連合會が5月31日に発表した統計によると、5月の中國製造業購買擔當者景気指數(PMI)は51.2と前月から橫ばいとなった。前年同期を1.1ポイント上回り、8カ月連続で51を超える景気拡大傾向を維持した。
國家統計局サービス業調查センターの趙慶河 高級統計師は、5月の中國製造業について、市場の需要 供給ともに拡大が続いたと指摘する。新規受注指數は52.3と前月並みで、前年同期を1.6ポイント上回った。うち、新規輸出受注指數は50.7と前月より0.1ポイント上昇、7カ月連続で景気判斷の分かれ目となる50を上回り、國內外の市場の需要が改善傾向を示した。このほか、企業の市場に対する見通しが楽観に傾いている。生産経営活動期待指數は56.8と、前月を0.2ポイント、前年同期を1.7ポイント上回った。うち、設備製造業とハイテク製造業の生産経営活動期待指數はそれぞれ58.7と59.1だった。それぞれ前月を0.3ポイントと0.2ポイント上回り、企業の業界の今後の発展に対する信頼感が強まっていることが示された。
交通銀行の連平チーフエコノミストは、もう1つのポジティブな現象として、中小企業の狀況改善を挙げた。中型企業、小型企業のPMIはそれぞれ前月を1.1ポイント、1ポイントずつ上回り、51.3と51に上昇した。行政手続きの簡素化と権限委譲、減稅と費用徴収削減、コスト削減などの政策が奏功したことを背景に、小型企業のPMIは上昇傾向が鮮明となり、2カ月連続で上昇率が3.6%に達した。三類企業のPMIは顕著に同じ傾向を示し、非常に接近した水準に向った。
國務院発展研究センター マクロ経済研究部の張立群 研究員は、中國製造業PMIは4月に低下したものの、5月は橫ばいとなり、10カ月連続で好不況の分かれ目となる50を上回っていると指摘。これにより経済成長の安定傾向が一段と明らかになったとしている。各指數については、◇受注指數の上昇 橫ばい傾向は、國內外の市場の需要が総じて落ち着いていることを示す。◇価格関連指數の低下傾向は、市場の需給ギャップが改善しつつあることを示す。◇製品在庫指數の低下、原材料在庫指數の上昇は、在庫調整活動が安定に向かっていることを示す。◇生産指數の低下、生産活動期待指數の上昇は、生産活動が安定に向かっていることを示す、──と指摘。総合的に判斷して、経済成長は短期的で急激な上下動の傾向から全體的な安定傾向に移行しつつあるとの見方を示した。
連平氏は、この1年の情勢から見て、中國製造業PMIは上昇後に反落するという特徴があると指摘。4月と5月は年初來の低水準にあり、昨年10月並みの水準だとしている。これまでの製造業の生産サイクルを見ると、4-6月は上半期の繁忙期にあたるはずだが、今年は盛り上がりに欠けたことから、経済成長がやや鈍化している可能性があるとみている。
海通証券チーフエコノミストの姜超氏も、「4月の工業企業の売上、利益はいずれも減少したが、5月の製造業PMIは短期的に橫ばいとなった。需要、供給、価格はいずれも橫ばいのなかで低下傾向が見られた。産業別では、5月に入ってからも川下需要が依然として低迷、川中の生産も減少傾向であることから、経済が急激な上下動から緩やかな減速傾向に移行しつつあることがわかる。現在の在庫回転サイクルは既に終わりに近づいており、今後は需要の低下に伴い、経済も減速傾向が続くはずだ」と指摘した。
(チャイナネット)
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