中國で焦點となっている年金基金の株式運用開始にまた一歩近づいた。早ければ、春節の連休明けにも400億元が株式市場に流入する見通しだ。24日の中國本土市場では、年金の株式運用開始観測が伝わると、ブルーチップ銘柄が軒並み上昇。楽観的な市場関係者らは投資家からの「お年玉」に沸いた。
■年金の株式運用は乗りかかった船
人力資源社會保障部(人社部)の政策研究司副司長を兼務する盧愛紅報道官は23日の記者會見で、基本年金保険基金の運用投資を開始すると明らかにした。中國の公的年金基金の運営に當たる全國社會保障基金理事會(社保基金)の樓継偉理事長は、複數の省から年金積立金殘高の段階的な運用を委託されたと明らかにした。年金の株式運用開始は乗りかかった船だ。社保基金との間で最初に年金の委託運用契約を結んだのは広西チワン族自治區で、その額は400億元に上るという。樓理事長は、こうした複數の省から受けた年金の委託運用について、リスク許容度が低いこともあり、株式市場への流入規模は限られると指摘している。
■將來的に1000億元規模に
最初の年金の市場流入規模は限られるものの、長期的にみると、1000億元規模に拡大する見込みであり、A株への影響は軽視できない。広発証券は、社保基金と保険資金の過去のデータからみて、年金の市場流入比率は約12%、金額にして2500億元近くに上ると試算。東方証券は、A株市場に流入する年金は向こう數年以內に3000億~6000億元に上るとみている。
申萬宏源証券の桂浩明氏は「年金の市場流入はゆっくりとしたペースで進むとみられるが、中國の資本市場に長期資金をもたらし、市場の安定に資するだろう」と指摘。 今この段階で年金を市場に流入させることの最大の意義は投資家を刺激することだとした上で、中國の資本市場は新たな発展段階を迎えているとの見方を示した。
■春節明けにも市場流入開始か
24日のA株市場ではブルーチップ銘柄のみが上昇した一方、中小企業向けの「SMEボード」(中小板)や新興企業向けの「ChiNext」(創業板)は続落した。終値は、上海総合指數が5.57ポイント高の3142.55で取引を終えたが、深セン成分指數、創業板指數、中小板指數はいずれも小幅に下落。大型連休を控えての薄商いに、市場関係者は「春節の連休前であり、例年通り」とコメントしている。
東方証券は24日発表した報告書の中で、春節明けから年金が市場に流入する見通しだとした上で、昨年12月の時點で社保基金理事會が専門投資管理機関21社を選定したと明らかにした。
(チャイナネット)
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