
徹夜で長時間座って仕事をし、3度の食事も不規則。こんな「殘業文化」が形成され、都市部の會社ではごく普通のこととなっている。では、なぜ長時間の仕事が日常茶飯事になっているのだろう?従業員はなぜ、進んで殘業をするのだろう?このような現象をどのように解決すればよいのだろう?これらの問題は考慮に値する。中國新聞網が伝えた。
長時間の仕事が常態化 1週間に20時間以上も
経済が急速に発展するにつれ、人點の生活のリズムは早くなり、夜でも明るいオフィスビルが都市の普通の光景となっている。多くの人にとって、長時間の仕事がごく普通の生活となっているのだ。
北京のある外資係企業で働く李威さんは取材に対して、「毎週殘業を平均約20時間している。それに平日や週末に家でしている仕事の時間は含まれていない。このような殘業は常態化している」とこぼす。
2015年8月に、求人サイト・智聯招聘が発表した「2015年ホワイトカラー8時間生存クオリティ調查研究報告書」によると、「仕事中に運動は何もしない」と答えたホワイトカラーは過半數を佔め、ホワイトカラーの3人に一人が1週間の殘業が「5時間以上」と答えた。また、ホワイトカラーのうち、仕事の環境に「満足している」との回答はわずか2割にとどまった。
仕方なく殘業、殘業手當は「ぜいたく」?
取材では、長時間の仕事に耐えている企業の従業員の多くが、進んでサービス殘業をしており、「殘業手當」などぜいたくと考えていることが分かった。
ある北京の大手國有銀行で働いているホワイトカラーの趙楽楽さんは取材に対して、「毎週殘業を平均10時間ぐらいしている。すべてサービス殘業。殘業手當はない。上司から殘業するよう指示されたことはないが、実際には、上司から與えられる仕事の量は、勤務時間內に終わるものではない。サービス殘業するしかなく、會社ももちろん従業員に殘業手當を払うことはない。殘業をせざるをえないという時もある。自分の仕事は勤務時間中に終わったのに、他の同僚はまだ仕事をしているため、仕方なく會社に殘って一緒に殘業することもある」と話す。
中山大學(広東省広州市)社會科學調查センターが昨年12月に発表した「中國労働力の動的調查:2015年報告書」によると、殘業をする會社員の60%以上が進んでしており、殘業する會社員の過半數が、その原因について、「直接的な経済的見返りを得るため」と説明している。
身心の健康に悪影響を與える「殘業文化」
企業で形成されている「殘業文化」は、従業員の権益を侵しているだけでなく、従業員の身心の健康にも悪影響を及ぼす。
2015年9月に、北京、上海、広州で殘業をしているホワイトカラー1500人を対象に実施された調查では、回答者の70%以上が便秘や腰痛、肩こり、手足の無力感、精神的疲労、目まい、頭痛など15の症狀を訴えた。そして、1日3食を規則正しく食べているとの回答は26%にとどまり、57%が睡眠時間は「7時間以下」と答えた。
専門家:労働ノルマの基準設定が急務
中國人的資源・社會保障部(省)労働科學研究所の鄭東亮・所長は、「以前、中國は非正規社員の労働者が多く、従業員の基本給を低く設定し、収入を多くするために従業員が殘業をしなければならないスタイルにしていた工場や企業が多かった。特に、労働集約型の輸出加工業がそうだった。現在、多くの企業がそのようなスタイルをいまだに採用している。また、経済が低迷すると、利益を確保するために、人員を削減し、従業員に殘業を強いる企業もある」と分析する。
進んで殘業する人が多い現象について、中國労働學會の蘇海南・副會長は、「その主な原因は、企業が支払う報酬が低く、労働者は、通常の勤務で得られる報酬だけで自分や家族の生活を支えられないから」と分析する。
鄭所長は、「それぞれの業界が、その労働ノルマの基準を設定しなければならない。これについて、早くから各地、各業界が模索を行っているが、いまだに明確な基準がない狀態。労働ノルマの基準を設定すると業界の発展にもメリットがある。ただ、どのくらいの量にするのか、どのように決めるのかなど、複雑な問題が殘っている。業界內で引き続き推進しなければならない」と指摘。
そして、「労働者の殘業が長いという問題を解決するために、さまざまな分野から着手しなければならない。例えば、労働保障監察當局が、監督を強化することも必要だし、労働者自身も自分の権益を守るという意識を向上させなければならない」との見方を示す。
(人民網日本語版)
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