
90後(1990年代生まれ)の劉蕊さんは3歳のころ、おとなしくて少し話すと顔が赤くなり、知らない人と話すのが苦手だった。そんな劉さんは大學入試の時に、ろう者の教師になりたいと思ったものの、専門の學校は文係の學生しか入學できないことが分かった。殘念なのは、劉さんは理係の學生だったのだ。その後、母親に「お葬式関係なら知らない人と話す必要もないし」とすすめられた劉さんは、「おくりびと」の納棺師になり、上海で半年働く間に、遺體400體近くの洗い・清めを行ってきた。北京の八寶山葬儀所が今年上半期から、遺體の洗い・清めを行うサービスを始めるのに合わせて、劉さんは同僚らと共にこのサービスを北京で行うことが決まった。北京晨報が報じた。
おとなしい劉さんが今では立派な納棺師に
遺體の洗い・清めは、上海の葬儀所が始めて2年足らず。1年目は、あまり反響はなかったものの、2年目になって業務量が激増した。劉さんは半年の間に、遺體400體近くの洗い・清めをし、死裝束を着せてきた。
洗い・清めには簡単なものから手のこったものまである。簡単なものなら、頭や顔を洗うだけ。手のこったものなら、全身を洗い、爪の手入れをし、顔にパックをしたり、手足のマッサージをしたりまでする。遺體は専用のベッドに橫たわり、ピンクの毛布がかけられている。劉さんはその遺體を30分かけて洗い、その動作はしなやかで神秘的だった。その全ての過程で、遺體が露出することはない。多くの遺族は、劉さんに「私たちでさえこんなにきれいに洗ってあげたことはない」と感謝するという。
「日本の映畫『おくりびと』を見て、納棺師はみんなの前で遺體を拭いたり、死裝束に着せかえたりするのに、體のどの部分も見えないので驚いた。まさに神技。でも私もできるようになった。とくに秘訣はなく、とにかく練習するだけ。體重150キロの遺體を洗ったこともあるけど、體をさっとひっくり返し、體の肌が見えないように洗うことができた」と劉さん。
遺體の安置サービス導入
八寶山葬儀所は昨年から、「火葬場」のイメージを変えようと、人間味あるサービスの提供を検討してきた。そして、遺族に合わせた葬儀を行うほか、遺體の洗い・清め、遺體の単獨安置サービス、安置サービスなどの導入を始めている。
うち、昨年に設置された「安置ホール」は、遺族が遺體を數日安置しておける場所。その間、遺族は遺體を見て、死者を追想し、互いに慰め合うことができる。これまでに、數百回の利用があったという。
(人民網日本語版)
関連記事:
