第二次大戦後70年の歴史を振り返ると、日本は確かに大きく変化したと言える。第一に、軍部という軍國主義の悪の根源が完全に除去されている。戦後の土地改革によって都市と農村の貧富の格差という問題が解決され、軍國主義の社會的土&はすでに瓦解している。
第二に、戦後の日本経済の繁栄と社會的変化に伴い、溫和で理性的な中産階級が拡大し、「オリーブ型社會」の主體となっている。グローバル化とハイテクによって、日本には、第二次大戦以前のように領土の対外拡張を目標とする必要もなくなっている。
第三に、日本は高度な法治社會であり、平和憲法がしっかりと根付いている。日本人は、最も強烈な苦しい戦爭體験を持つ民族の一つである。ギャラップが近年、各國の國民に対して行った調查によると、自國が脅威を受けた際に進んで戦場に赴いて戦うという日本人は11%にすぎなかった。日本人の中にも、日本は「平和ボケ」していると聲がある。1930年代の日本軍國主義が極めて好戦的であったのを考えると、戦後の日本民族の性格の対照的な変化と比べられるのは、人類世界の數千年の歴史を振り返っても、13世紀に勇猛果敢なモンゴル民族がラマ教を受け入れた後の変化くらいではないだろうか。
客観的に言って、日本はすでに、高齢化に突入した民族でもある。日本の學者の統計によると、日本が現在の生産水準を維持するためには、日本は2030年頃までに外國から年間560萬人の労働力を受け入れる必要がある。このような民族においては、個別の過激な右翼行動派が軍國主義に走ろうとしても簡単には行かない。
日本の軍事支出が大きいことを日本の軍國主義復活の裏付けと主張する人もいる。だが関連する統計によると、日本の軍事費は確かに世界第3位で米國と中國に次いで多いが、軍事費のうち45%は人件費である。新たな武器を調達する費用は軍事費全體の28%前後を佔めるにすぎない。さらに調達されるのは多くが日本國內で製造された武器であり、その価格は外國製の武器の3倍はする。このような軍事支出は、軍國主義の復活を目標としたものとはとても考えられない。
もちろん最も根本的なポイントは、中國がすでに立ち上がったということである。中國の國力と軍事力は十分に強大で、過去のようにたやすく圧迫されることはない。日本が好き勝手に中國を侵略できた時代はもう過ぎ去ったのである。中國は、日本の右翼分子が起こす騒動を恐れることはなく、疑心暗鬼に陥ってびくびくする必要もない。もちろん日本の右翼勢力の動向には注意すべきだが、日本が軍國主義を復活させたとか、復活を目論んでいるとかいうのは、事実と異なると言わざるを得ない。
ある學者は、「日本で軍國主義が復活しつつある」という観點を提出し、社會的にも一定の影響を生んでいる。このような判斷のねらいは、中國の厳正な立場を強化し、人點の注意を高めることにあるのだろうが、事実と異なる。両國間の雙方向的な悪循環を減らすためには、両國民は団結し、中日関係を理性的に認識し、日本の過激な勢力の悪影響に合理的に対処する必要がある。(上海師範大學人文學院歴史學科教授・蕭功秦)
(チャイナネット)
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