北京観光學會の劉思敏 副事務局長は、「外資による旅行業參入は、すでにある程度の歴史があり、彼らは國內の旅行社とバランスを保って発展してきた。現在の狀況を分析すると、外資による中國旅行市場への參入が、どれほどの波紋を呼ぶかは未知數だ。それに比べ、中國國民によるアウトバウンド旅行市場は、猛烈な勢いで伸びている。外資が中國市場に入り、中國人観光客を目的國まで送り出すことは、中國現地企業が実施する海外旅行ツアーと比べ、優位性を備えているとは言い難い。今後について考えると、外資による中國市場への參入加速によって生じる影響は、それほど激しくはなく、穏やかなものだろう」と話した。
〇外資の導入は旅行市場の発展に有利
鐘副會長は、外資による旅行業への參入の影響について、「上質な海外旅行やカスタムメイド旅行は、変化がつきものだ。また、在中外國企業や在中外國人の顧客源も変わりやすく、中外合弁旅行會社に流れていく可能性が高い」と指摘した。
観光業界での経験が豊かな決勝網の戴政CEOは、「外資が國內旅行業に參入する際、新會社の資金調達という點から見ると、資金プールがさらに大きくなるため、有利であると言えよう。どの業界においても、より多くの資本が入ってくることは、業界全體の発展にとって有益だ。次世代のオンライン旅行會社についても、たとえば同程網などは、このチャンスを利用して、ブレイクスルーを実現することが可能だ」との見方を示した。
北京市観光発展委員會の統計データによると、2014年北京市観光収入総額は、前年比8%増の4280億1千萬元(約8兆5千億円)。観光関連産業への投資額(完成ベース)は、同1.2%増の614億9千萬元(約1兆2千億円)、全社會固定資産投資額の8.1%を佔めた。北京市観光委員會の王粵 副委員長は、「消費全體のけん引役としての観光消費の役割は、極めて明らかになっており、投資分野での潛在力は、依然非常に大きい」と指摘した。