【新華社北京3月11日】カロリー制限、つまり食事制限が多くの生物種において老化を遅らせる重要な手段であることが証明されているが、組織細胞特異の分子メカニズムはいまだに明らかになっていない。中國科學院などの研究チームはこのほど、米國の権威ある定期刊行學術誌「Cell」オンライン版に研究成果を発表。単細胞トランスクリプトームのハイスループットシーケンシング技術により、節食による老化遅延の新たな分子メカニズムを明らかにし、「腹七分目」の食事が老化を遅らせることを多臓器レベルで証明した。
中國科學院動物研究所、中國科學院北京ゲノム研究所、米國ソーク生物學研究所などの科學研究機関の研究者は、齧歯(げっし)類のラットを研究対象とし、単細胞・単核トランスクリプトームのハイスループットシーケンシング技術に基づき、老化・節食に関する哺乳類の多臓器・単細胞トランスクリプトームのマッピングを初めて実施。老化・節食が生體のさまざまな組織細胞に與える影響について體系的に評価した。
中國科學院動物研究所の曲靜(きょく・せい)研究員によると、中年期のラットに「腹七分目」(食事制限がない狀態での食事量に対する70%のカロリー摂取量)の食事制限を開始してから、組織や細胞、分子レベルでの老化の兆候が低減され、壽命が延びたという。科學者はラットを「食事制限なしの幼體グループ」、「食事制限なしの老體グループ」、「節食を行う老體グループ」に分け、九つのグループから採取した20萬個以上の単細胞・細胞核トランスクリプトームの分析に基づき、老化・節食狀態におけるさまざまな組織や臓器の分子ネットワークをマッピングした。
同研究所の劉光慧(りゅう・こうけい)研究員は、今回の研究によって生體の老化における細胞・分子の変化法則が多臓器・多組織レベルで初めて體系的に解析され、老化予防のための新たな生物學的マーカーがもたらされたと考えている。研究は同時に、節食が老化に影響を及ぼす過程における免疫調節システムの重要な役割も明らかにし、老化や関連疾患に対する戦略をさらに発展させるための理論的基礎を築き、科學がどう老化に立ち向かっていくかという面で重要な価値を持つ。(記者/魏夢佳)
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