
湖北省武漢市にある武漢市第一醫院で、隔離病棟に入る前に防護服などを着用する醫療従事者。(2月22日撮影、武漢=新華社記者/肖蕓九)
【新華社武漢3月2日】陳彬(ちん・ひん)さんは1月28日、新型コロナウイルス陽性と診斷された。今は自宅の寢室で療養しながら、今後は自分のように回復する人が増えると確信している。
新型ウイルス流行の中心地である武漢市から約120キロ離れた隨州市に住む陳さんの症狀は軽かった。2月20日に退院し、現在は自宅で隔離生活を送っている。
「2週間ほど前には、省外の醫師たちが入り、ベッドも増えて、人點の間で信頼感が高まった」と陳さんはふりかえっている。
中國保健部門の2月29日の発表によると、新型コロナウイルス感染症患者のうち3萬9002人が28日までに回復・退院した。
中國は、湖北省とその省都・武漢を新型コロナウイルスから守るために異例の厳しい措置を講じており、その焦點は地域社會単位での感染拡大防止と患者の治療に置かれている。

湖北省武漢市にある武漢スポーツセンターに設置された臨時醫療施設で患者を診察する、江蘇省から派遣された醫療従事者。(2月17日撮影、武漢=新華社記者/肖蕓九)
▽根気強い対策
武漢市瀋陽社區(コミュニティー)の雷莉華(らい・りか)黨支部書記によると、各社區は患者を隔離したり、病院への搬送を手配したり、社區內を巡迴したり、住民の健康狀態を監視したりして、ウイルス対策に貢獻している。
中國國家衛生健康委員會によれば、武漢市はコロナウイルス流行に伴う病床不足に対処するため、體育館や展示センターなどの施設を利用した臨時醫療施設を16か所に設置し、1萬3千床以上の病床を用意した。
「臨時醫療施設で病床が空いたら私たちのところに連絡が入り、その後私たちは隔離現場の患者に対し移送の準備をするよう伝える」と雷さん。
雷さんによると、1月23日以降、病院や住民からの電話に24時間體制で応じてきた。幸いなことに、同社區でウイルス感染により自宅で死亡した人はこれまで確認されていない。
移送の段取りは迅速化している。最初は住民が入院するまで1週間ほどかかっていたが、それが2~3日に短縮され、今では毎日2~3人の患者を治療施設に搬送できるという。
同社區ではここ數日、新たな感染者は確認されていない。
武漢市內各地の臨時醫療施設は28日までに計1萬2千人の患者を受け入れてきた。現在は7600人以上の患者が治療を受けており、約5千床の空きがある。
陳さんが入院していた隨州の病院も當初、病床が不足し、3人用の病室に4床を詰め込む狀態だったが、その後狀況が改善したため、部屋は元に戻されたという。
陳さんの入院中、家族は自宅に隔離された。家族が必要としていた日用品などは、社區職員が屆けてくれた。
陳さんの妻、張夕陽(ちょう・せきよう)さんは「職員に食用油を注文すると、どのブランドを買いたいかまで聞いてくれた」と話した。
陳さんが住む柳樹趟社區のトップ、陳永紅(ちん・えいこう)さんは「ここ數週間、市內の各社區は管理を強化している」と語った。
約7400人が暮らす同社區では、陳さんに続き2人目の感染者が出たことから、2月20日に41か所の&&口すべてを閉鎖。現在、全物資は社區職員が注文し、配達している。
各&&口には人員が1人割り當てられ、午前7時から午後10時まで巡迴を行う。
陳さんは「反復作業だが、油斷は絶対にできない」と語った。「これは感染拡大を防ぐために続けなければいけない最低限のことだ」
湖北省武漢市にある武漢市第一醫院のICU病棟で働く、江蘇省から派遣された醫療従事者。(2月22日撮影、武漢=新華社記者/肖蕓九)
▽「私たちは退卻しない」
武漢には2月21日までに、全國から軍醫を含む4萬人以上の醫療関係者が集まり、コロナウイルス対策に加わった。
現場の醫療チームは、重篤・重症患者の治療のための方法を編み出している。
四川省にある華西醫院の醫療チームを率いる康焔(こう・えん)さんによれば、同院では効率化のため患者エリアを緑、黃、赤のゾーンに分け、患者の狀態に応じて治療を行っている。重篤患者137人の半數以上が快方に向かい、軽症患者を治療する臨時醫療施設に移ったという。
武漢市漢陽區の臨時醫療施設では、山東省の醫療チームにより、患者が心理カウンセリングを受けるためのソーシャルメディアグループが立ち上げられた。
チームを率いる呂永濤(りょ・えいとう)さんは「看護師は折り鶴を作り、勵ましの言葉を書いてベッドや廊下につるした」と語った。
荊門市の病院では、浙江省の醫療チームが、重篤患者を治療する集中治療室(ICU)を24時間で設置した。
ICUでは常時稼働のために100人以上のスタッフが必要で、チームは現地の病院職員と協力して24時間體制で患者のケアに當たっている。
チームの副隊長を務める劉利民(りゅう・りみん)さんによれば、チームが到着してから半月で、重症・重篤患者のほとんどが治療を受けた。
「私たちは厳しい狀況に対処するために來た」と劉さん。「コロナウイルスが抑えられないかぎり、私たちは退卻しない」
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