
16日、取材に応じる公益財団法人日本財団の會長で、笹川平和財団の名譽會長を務める笹川陽平氏。(東京=新華社記者/姜俏梅)
【新華社東京12月23日】公益財団法人日本財団の會長で、笹川平和財団の名譽會長を務める笹川陽平氏がこのほど、東京で新華社記者の取材に応じ、笹川日中友好基金の30年にわたる民間交流の成果を振り返るとともに、今後も中國と各分野で交流を深めていきたいとの思いを語った。
笹川日中友好基金は1989年12月、中日両國の永久平和と相互理解の促進を目的に、日本財団の資金援助を受け、笹川平和財団に設立された地域基金。設立からの30年間に手掛けた事業は400件を超え、12月現在の事業費総額は36億円。事業に直接參加した日本人は7700人、中國人は1萬4千人を超えた。
唯一の政治関連事業は、中國人民解放軍と自衛隊の日中佐官級交流プログラムだ。笹川氏は設立の動機について「6歳の時に、戦爭に遭った。今年81歳になるが、戦爭の悲慘さを直接體験した最後の世代、そして、その體験を記憶にとどめる最後の生き証人だと思っている。平和がいかに重要であるか體験的に感じている」と自らの子ども時代の戦爭體験を語った。
2001年に始まった同事業は、民間を主體とし、両國間の安全保障分野を巡って対話と交流を行う。今年9月までに中國人民解放軍將校228人と佐官級自衛官152人が互いに相手國を訪問した。軍事施設だけでなく、農村やハイテク企業を訪問するなどの活動を通して、互いに相手國に対する認識を高めてきた。
中國の大學に修士・博士課程を開設し、大學生向けの奨學金や醫師の訪日留學などの制度も作ってきた。笹川氏は、同基金がこの30年間に日中交流のために行ってきたことは天地を揺るがすほど大きなことではないが、プログラムに參加した人點に新たなチャンスをもたらしたのではないかと語った。
笹川氏によると、基金がスタートした當時、中國は困難な時期にあり、大學にはまともな図書館もなかった。この30年間に中國の75の大學に380萬冊以上の本を贈呈してきた。今では中國の全ての大學に図書館があり、立派なキャンパスを構えるようになった。笹川氏は、中國の発展と変化はもはや言葉では言い表せないほどで、社會全體がめまぐるしく変化してきていると述べた。
將來の日中関係について、笹川氏は「歴史を鑑とし、未來に向かう」とよく言われているが、両國民にとって最も重要なのは、未來に向けて穏やかで安定した日中関係を作り、両國間に緊張が生じないよう共に努力することだと指摘。笹川日中友好基金は今後も両國民、特に若者が相手國をもっと知る機會を作り出し、相互理解を増進させるための中間媒介という役割をしっかりと果たしていきたいとの考えを示した。
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