
春節(舊正月)を間近に控え、中國福建省寧徳市蕉城(しょうじょう)區の海上郵便配達員、石進全(せき・しんぜん)さんは、忙しい日點を送っている。
石さんが一人で擔當する三都澳(さんとおう)海域には、四つの島や八つの行政村、八つの海上いかだ集落があり、3萬人余りの住民が暮らしている。
朝8時、石さんを乗せて郵便物を積んだ船は港を離れ、海面に白波を立てて進み出した。春節前に郵便物を全て配達するために。
石さんは8歳の時に初めて父と一緒に木造船に揺られて手紙を配達し、18歳の時に父から郵便カバンを引き継いだ。父が23年間守ってきた郵便配達のルートを、自身も20年以上走り続けてきた。
島點は遠隔地にあり、いかだ小屋に至ってはまるで迷宮だ。石さんはそんな地域で郵便物を一軒一軒屆ける。太陽の位置や潮の方向、遠くの山の形など、全てが石さんの案內役だ。
郵便配達員の給料は養殖漁業の収入には遠く及ばない。それでも石さんは脇目も振らずに職務を果たし続ける。それについて石さんは、長年の配達で三都澳海域の島點の漁村や海上いかだ集落の隅點まで知り盡くしており、海で暮らす同郷の人點が自分を必要としているからだと説明した。
石さんの名前を出すと、多くの村民は「性格がいい」「とても頑張っている」「素晴らしい」と形容する。島の生活に大きな利便性をもたらしてくれるこの郵便配達員に、村民は心から感謝している。












