
5日、シーサンパンナ國家級自然保護區內の微量元素を豊富に含む人口池で戯れるアジアゾウの群れ。(新華社配信/シーサンパンナ國家級自然保護區管理保護局提供)
【新華社昆明7月11日】中國雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州に設けられた「ゾウの食堂」にこのほど、ゾウの「客」20頭がやって來て食事をした。
シーサンパンナ國家級自然保護區管理保護局の職員によると、「食堂」は同保護區の動養エリアの関坪「食物源基地」にあり、食事をしたゾウは中國國家一級保護動物のアジアゾウで、一度に20頭が「食堂」に集まったのは、今年に入って最多の數だという。
5日午後0時37分、動養エリア関坪管理ステーションの巡迴保護擔當者は、アジアゾウ警報システムの赤外線カメラが保護區の芋桿ダムから送ってきた畫像の中に、 野生のアジアゾウの一群が微量元素を豊富に含む人口池の中を歩き、餌を探す姿を発見した。擔當者は周辺の村に警報を発するとともに、保護區の動養管理保護所に報告した。
午後3時47分、このアジアゾウの群れは「ゾウの食堂」にやって來て、栽培されたタケやカジノキを食べ、戯れていた。
同管理保護局はここ數年、野生動物の「食物源基地」の開設やアジアゾウの赤外線カメラによる警報システムの設置を強化し、今年はタケやカジノキ、ネピアグラスなどアジアゾウが好んで食べる植物を、動養エリアの関坪、蓮花塘と尚勇エリアの冷山河、併せて1500ムー(100ヘクタール)の土地で再生もしくは栽培し、動物が集まって食事を取るための場所「食物源基地」とした。野生のゾウが保護區周辺の村に侵入し作物を荒らす現象が減り、「人とゾウの対立」は緩和された。
統計によると、「食物源基地」內で栽培した植物が動物に食べられる率は年平均で80%以上に達する。ある植物は生育してすぐに野生のゾウに食べられることもあるという。
アジアゾウは中國では主に雲南省のシーサンパンナ・タイ族自治州や普洱市などに生息する。同自治州の熱帯雨林は野生のゾウにとって理想的な生息場所で、全國の90%前後に上る野生のゾウが集まる。ここ數年の中國政府による環境保護への取り組み強化により、野生のゾウの數は1990年代の170頭余りから、現在では300頭前後まで増加したが、依然として絶滅が危懼されている。(記者/張東強)












