【新華社東京5月11日】78歳になる沖村憲樹氏は今も中日科學技術交流の第一線で活躍している。科學技術振興機構(JST)の特別顧問・前理事長である沖村氏は、「さくらサイエンスプラン」を創設し、中國などアジア太平洋の國・地域から毎年數千人の青少年を日本での見學・交流に招待しており、これは中日両國の科學技術と人材交流の重要な舞&となっている。
中日科學技術交流協力の推進への貢獻によって、2015年度の中國國際科學技術協力賞を受賞した沖村氏は、このほど東京で行われた新華社によるインタビューに応じ、「中國政府に深く感謝するとともに、日中交流のため共に努力して下さった皆様に感謝している」と述べ、「これからも変わらずに日中科學技術交流を推進し、さくらサイエンスプランの事業を広げていきたい」と抱負を語った。
沖村氏は長く科學技術庁に勤務し、中日両國の科學技術界の交流協力の推進に盡くした。JST理事長在職期間中も「中國総合研究センター」の設立や「日中大學フェア&フォーラム」の発起と組織など、中日科學技術協力の推進を目的とするいくつもの重要な仕事を行ってきた。
沖村氏は一貫して中國の科學技術の発展や科學技術政策に強い関心を寄せている。中國の科學研究計畫の長期安定性を「中國政府は長年にわたって科學技術の発展を重視しており、関連予算も日本をはるかに上回っている。安定した資金が科學技術と経済の持続的な発展を保障している」と賞賛する一方で、「中國と日本はともに世界の主要な経済大國であるにもかかわらず、ここ數年の両國の科學研究交流は活発とは言い難い」とも指摘した。
文部科學省の統計データによると、2003年から2005年にかけて中國の発表された國際共著論文のうち、16%の論文に日本の研究者が參加しており、この比率は米國の37%に次ぐ2位だった。ところが2013年から2015年にかけてこの比率は8%まで下がり、4位に後退した。
この現狀を変えるべく、2014年に沖村氏が推進する「さくらサイエンスプラン」がスタートした。この國際科學技術交流プロジェクトはJSTが全額を出資して、中國を中心にアジアの優秀な青少年(高校生、大學生、研究者などを含む)を日本に招待するもので、學校や科學研究機関や企業への短期訪問の他、日本の青少年やノーベル賞受賞者などとの直接交流も実施している。
2014年には約1200人の中國の青少年が「さくらサイエンスプラン」で來日し、交流を行った。2016年と2017年には年間の交流人數が約2千人に増加し、プロジェクト全體人數の約3分の1を佔めるまでになった。
日本の人口は中國の約10分の1であり、長い目で見れば中國のトータルパワーも日本の10倍になるかもしれないと沖村氏は言う。だからこそ日本は実際的な観點から、自國の強みを発揮し、中國との協力でウィンウィンの関係を実現すべきであり、さらにそのプロセスを通じて中國と科學技術などの分野で協力関係を強化することが非常に重要なのだとの考えだ。
中國の科學技術の進歩は著しいものの、日本も多くの分野でまだ優位を保っている。中國の青少年に日本の科學技術を知ってもらい、両國の未來の科學技術者同士の交流協力を推進することは、日本に大きな利益をもたらすだろうと沖村氏は見ている。
「中國やアジア各國の経済が発展するにつれて、日本の存在感は相対的に低下していくだろう。日本は中國などアジアの國點と手を攜え、ウィンウィンの関係を築かなくてはならない」。それには人と人との交流が最も有効で、人間同士の絆があれば、例え國と國との間でいさかいが起きてもそれを緩和することができるという。
そして、それこそが両國の青少年の科學技術交流を全力で推進している理由であるという沖村氏は、「交流を通じて両國の學生や研究者の相互理解が進み、よい関係を築ければ、將來的に両國の科學技術協力がより進んでいく展望が開けるだろう」と話している。(記者/華義)
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