ここ數年にヒューゴー賞にノミネートされた作品を見ると、現在アメリカの多くのSFやファンタジー小説は、人種差別や男女差別、社會に対する人工知能の影響、社會倫理に対する生物學の影響といった現実的な問題により注目しており、これらのテーマに従って、以前とは異なる敘事構造や作風を用いている。
これらの局面が現れたのは、科學が高度に発展した現在、テクノロジーがすでに人點の日常生活のあらゆる面に浸透し、読者の心の中で科學の持つ神秘性がますます薄れてきてきたことによるものだと劉氏は見ている。「これはSF文學が現在直面している最も致命的な打撃で、発展の出口がほとんど見えない狀況になっています。」と劉氏は語る。
SFの発展を取り戻すため、アメリカ人は早くも20世紀70年代からあらゆる努力を試みてきた。SF作品と科學を引き離し、SFをより文學化させ、深宇宙から人の心への描寫、宇宙人から人類の異なる人種や性別間の関係の描寫へと方向転換してきた。
「彼らはこうした努力を通して、SFファンや影響力を拡大しようとしたが、現時點では、これは成功していないようです。」と劉氏は語る。劉氏の記憶によれば、SF小説の黃金時代は活気にあふれ、作家はみな20代の若者で、読者も若者だった。「今のSF大會のファンたちは何歳だと思いますか?ぽっこりお腹の中年たちばかりをひきつけるような文學に希望があると思いますか?」
現在、「三體」を含む劉氏の作品數本の映畫化がすでに決まっているが、これらの映畫の最終的な成功については大きな自信を抱いていない。劉氏は「アメリカのSF映畫やファンタジー小説は発展からおよそ1世紀の月日が流れたが、中國のそれはわずか3、4年にすぎないので、優れた映畫を撮りたいと望むことはあまり現実的ではありません。」と語っている。
(新華社より)
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