新華網ウィーン2月16日(記者/劉向)年に一度のミュンヘン安全保障會議(MSC)が間もなく開催され、歐米の多數の國の政府要人が會議に出席する。歐州一體化、北大西洋條約機構(NATO)の役割及び対ロシア政策などの歐州の核心的利益に関わる課題について、歐米雙方がどのような最新のシグナルを発信するのかが注目される。
米國のトランプ大統領のこれまでの歐州連合(EU)衰退、NATOへの疑問視、ロシア寄りなどの発言はEUのボーダーラインと価値基準に抵觸している。今回のミュンヘン安全保障會議(MSC)は、歐米の互いに內情を探り合う重要な機會になると見られる。
ポイント1:歐州一體化
ドイツ・メルケル首相は先週、ミュンヘン安全保障會議に參加することを最終的に確定し、ペンス米副大統領と會談する見通しだ。ドイツはEUのリーダーに値し、獨米の関係は歐米の関係に直接影響を及ぼすことになる。
トランプ大統領の執政政策はポピュリズム色を備え、グローバル化に反対しており、その価値観はドイツを含む大多數の歐州諸國の指導者とは明らかな違いがある。この影響を受け、米歐関係に奧深い調整がかなりの確率で現れるだろうが、調整は短期間のうちに決まられた型にはならず、柔軟性のある空間が存在するものと予想される。
このような前提のもと、ペンス米副大統領などの高官が歐州の指導者とミュンヘンで會談することは歐州にサプライズをもたらすことはないはずだが、雙方が膝を突き合わせて會合することは、互いの理解を増進させ、米國の政策立案者に歐州の核心的利益とボトムラインを知らせるのに役立つだろう。
ポイント2:NATOの地位
トランプ大統領は以前北大西洋條約機構(NATO)のような軍事同盟はすでに「時代遅れ」だと発言し、大西洋の両岸を騒然とさせた。就任後、トランプ大統領はNATO問題で一定程度の譲歩の意を表し、NATOの重要性を認めている。しかしその條件とは、NATOがテロ対策を強化し、米國以外のNATO加盟國が軍事支出を増やすことだった。
1月28日、トランプ大統領とメルケル首相は電話會談で合意に達し、NATOは大西洋を越えた関係に「基礎的な意義」があることを認めている。
アナリストは次のようにみなしている。トランプ大統領は戦略上、NATOの地位と役割を引き続き認めるだろうが、実際には、トランプ政権時代には、NATOの地位の弱體化は避けられないものとみられる。その原因は、トランプ大統領の戦略的考量において、米ロ関係の改善が比較的明確な訴求であることにある。米ロ関係が改善されれば、NATOは重要な「仮想の敵」を失い、その重要性は自然に低下するだろう。
ポイント3:対ロシア関係について
1月28日にトランプ大統領はロシアのプーチン大統領と1時間にわたる通話を行い、米ロ関係を再スタートし改善させる強いシグナルを放出した。歐州諸國は、いったん米ロ関係に重大な転換が現れれば、米國は対ロ制裁を解除し、歐ロ関係に必ず影響を及ぼして、歐州の地政學上の戦略構造を変えるのではないかと懸念している。
歐州は地政學上直接ロシアに向き合っている。ロ歐間の矛盾が長年にわたって続いたことから、雙方は互いに信頼せず、戦略の相手となり、歐州の一部の國にはロシアを妬み、恐れ、ロシア排除を望む心持ちが存在する。ウクライナ危機の勃発後、歐州と米國はロシアに経済制裁を実施し、歐ロ関係は落ち込んだ。
トランプ大統領は米ロ関係の改善を望んでいるが、両國の多くの問題には矛盾もあり、食い違いが幾重にも重なっている。また米ロ関係の変化は、歐州に影響を及ぼす見通しだ。トランプ大統領がロシア制裁の問題でロシアと取引を行えば、歐州の核心的利益に直接関わってくるだろう。
アナリストは次のように指摘する。現在の狀況から見て、今回の會議では米國の対ロ政策に関して実質的な調整を行うという情報を伝えることはない。今回の安全保障會議は歐米が互いに內情を探り合う場を與えたにすぎない。また、トランプ大統領は就任して1カ月もたたないうちに、その新政が多くの紛爭を引き起こしており、施政戦略の調節やホワイトハウスチームの擦り合わせがトランプ大統領の最も重要な任務となるだろう。
(新華社より)
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