
近年、中國の多くの大學では専攻學科によって就職率が大きく異なるという現象が起きている。興味深いのは、一部の人気の専攻學科の就職率が低いのに対して、一部の不人気専攻學科は、就職率が非常に高くなり、企業から引っ張りだこになっているというケースが現れている點だ。中國新聞網が報じた。
現在、中國でも高齢化の加速を背景に、近年、葬儀業界が盛り上がりを見せ、葬儀関係を専門に學ぶ學生の人気も高まっている。しかし多くの人にとって葬儀関係の學部はミステリアスで恐いとさえ感じ、興味を持つ人は決し多くない。それでも高い就職率や高収入が同學部の最大の特徴ともなっており、それに惹かれる學生もいる。
1995年、長沙民政職業技術學院は「現代葬儀」學部を設置。20年以上の間に、約5000人の卒業生を葬儀業界に送りこんできた。殯儀學院黨総支副書記の蘇立輝さんは取材に対して「今年、當校の卒業生は約200人。たくさんの企業が人材を求めて當校に來て、學生たちにさまざまなポストを用意した。最終的に卒業生一人につき約3-4社の內定をもらった。需要に供給がまったく追い付かない狀態」と説明した。
3年前、95年代生まれで中國東北地方出身の白書杭さんは、悩んだ末、就職率の高い葬儀學部を選んだ。昨年、全國民政職業技能コンテストで、白さんはその巧みな技術で、「納棺師二等奨」を受賞した。今年、成績優秀な白さんは長沙民政職業技術學院を卒業し、江西省九江市にある葬儀館に就職した。
「食事も寮も付いていて、月給は約4千元(約6萬3千円)で、地元の平均月給より高い。それに、自分の時間も十分にある」と待遇を説明する白さん。その仕事に満足しているという。
今年6月、第三者教育データコンサルティング調查機関 麥可思(MyCOS)が作成した「就職青書:2016年中國大學生就職報告」によると、15年度の中國の大學新卒の卒業半年後の平均月收は3726元(約5萬8800円)。白さんは「同じ學部のほとんどの同級生の月給はこの平均値の足を引っ張ってないと思う」と冗談交じりに語った。
白さんによると、同じ學部の同級生の中には、マレーシアや香港、澳門(マカオ)、さらに北京、上海、広州などで働いている人もいる。「実際には、この學部を卒業して大都市で働くと、月収1萬元(約15萬8千円)超えも簡単。ちょっとプレッシャーはあるけど。僕はしんどいのは嫌だから、大都市はやめた」と白さん。
しかし、企業の待遇はいいものの、世間の目が冷たいのが、白さんにとって常に悩みとなっているという。「なかなか自分の仕事のことを理解してもらえなくて、友達を作りにくいと本當に感じる。ある時、バスに乗っている時に、同乗していた人といろいろおしゃべりをした。でも、僕が専攻している學部を知ると、しゃべってくれなくなった。こんなことはよくある。社會には、この仕事についてもっと理解してほしい」と訴える。
(人民網日本語版)
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