新華網北京6月30日 中國外交部の洪磊報道官は29日、フィリピンが申し立てた南中國海問題仲裁案の仲裁裁判所が近く、いわゆる最終裁決を下すとしたことについて談話を発表した。全文は次のとおり:
フィリピンの一方的な申し立てで設けられた南中國海問題仲裁案の仲裁裁判所(以下、仲裁廷という)は2016年6月29日、いわゆる最終裁決を2016年7月12日に下すと発表した。私は、仲裁廷は本事案および関係の事項に対し管轄権がなく、審理と裁決を行うべきではないと再び強調したい。
一、2013年1月22日、フィリピンは中國とフィリピンの南中國海における関係紛爭について一方的に仲裁を申し立てた。中國政府はこれを受けて、中國はフィリピンが提起した仲裁を受け入れない、參加しないという聲明を発表した。その後、中國政府はこの立場を再三にわたり言明している。
2014年12月7日、中國外交部は『中華人民共和國政府のフィリピン共和國が提起した南中國海仲裁案管轄権問題に関する立場の文書』を権限を得て発表し、中國政府の當該仲裁案管轄権問題に対する立場を全面的かつ體系的に説明した。即ち、仲裁廷はフィリピンが一方面的に提起した南中國海仲裁案に対する管轄権はなく、フィリピンが申し立てた仲裁案を受け入れない、參加しないという中國政府の姿勢は國際法の依拠が十分にある。
2015年10月29日、仲裁廷は管轄権と受理可能性について裁決を下した。中國政府は直後に関係裁決は無効で、拘束力はないとする聲明を発表した。仲裁廷は11月24日から30日にかけて、當該案の実體問題について法廷で審理を行い、中國政府はこれを受け入れない、參加しない立場を再び説明した。
2016年6月8日、中國外交部は『中華人民共和國外交部の二國間協議を通じた中國とフィリピンの南中國海関係紛爭解決の堅持に関する聲明』を発表し、中國はフィリピン仲裁案を受け入れず、參加しないという立場及び二國間協議を通じて中國とフィリピンの南中國海における関係紛爭を解決する立場を堅持することを再び言明した。
二、フィリピンが一方的に申し立てた南中國海仲裁案は國際法に違反する
第一、中國とフィリピンは一連の二國間文書及び『南海各方面行為宣言』によって、早期から二國間協議を通じて南中國海の関係紛爭を解決することで合意しており、『國連海洋法條約』(以下、『條約』という)で規定する仲裁手続きに中國とフィリピンの南中國海の関係紛爭は適用されない。
第二、フィリピンが提起した仲裁事項の本質は南中國海の一部の島礁の領土主権問題であり、『條約』の調整範囲ではなく、『條約』の解釈、又は適用に関連しない。
第三、フィリピンが提起した仲裁事項で発生する中國とフィリピンの両國の海域境界畫定問題は切り離すことのできない一部となっている。中國は『條約』第298條の規定に基づき、2006年に海域境界畫定などの事項に関する紛爭は、 仲裁などの強制的な紛爭解決手順の適用を排除するという聲明を発表した。
第四、フィリピンは中國とフィリピンが提示した仲裁事項に関していかなる協議も行っていない事実を無視し、概念をすり替え、虛構の紛爭を起こし、『條約』第283條の紛爭解決方式に関する意見交換の義務を履行していない。
三、仲裁廷はフィリピンの不法行為と訴求を基盤に設立されたもので、関係事項に対し管轄権がない。仲裁廷は中國とフィリピンが交渉と協議方式を通じた紛爭解決を選択した事実を顧みることなく、フィリピンが申し立てた仲裁事項の本質が領土主権問題であるという事実を無視した。また、中國側が『條約』の規定に照らして発表した排他的聲明を回避し、獨斷的に権限拡大と越権を行い、関係事項に対し強引に審理を行い、締約國が保有する紛爭解決方式を自発的に選択する権利を侵害し、『條約』の紛爭解決システムの完全性を破壊した。
四、領土問題と海域境界畫定に関する紛爭において、中國はいかなる第三者の紛爭解決方式も受け入れず、中國に強制するいかなる紛爭解決プランも受け入れない。中國政府は『國連憲章』で確認した國際法及び國際関係の基本準則を継続的に遵守し、直接の関係當事國と歴史の事実の尊重を堅持することを前提に、國際法に照らして、交渉と協議を通じて南中國海の関係紛爭を解決し、南中國海の平和と安定を擁護する。
(新華社より)
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