イラン核問題の最終合意は、各國の準備を経て、履行の日が間近となっている。これはイラン核問題の政治的解決の新たなスタートを意味する。(人民日報「鐘聲」國際論評)
2015年の最終合意は國際安全保障分野の大きな成果となった。複雑に入り組んでいる中東情勢にとって、イラン核問題の最終合意は潛在的な火薬の信管を抜くようなもので、地域情勢の緊張を緩和し、衝突の危険性を低めた。イランにとっては、制裁解除は多國間體制を通じた対外協力の餘地の拡大を意味し、イラン國民の生活水準、民生環境は大幅な改善が見込まれ、各國との関係も新たなページを開くことが期待される。
現在の厳しく複雑な世界の安全保障情勢にとっては、イラン核問題の最終合意は國際的な核不拡散體制を維持し、外交手段を通じた重大な紛爭解決の「教科書的」な有益な実踐を國際社會に提供し、他の世界の紛爭問題の処理における積極的な參考となり、世界の平和維持に重要な意義を持つ。
イラン核協議の重要な參加國として、中國は積極的な調停、主導的な行動を通じて、新時期の中國外交の大國としての風格とスタイルを示した。イラン核協議は何度も曲折を経たが、中國は爭いと平和の十字路においても、どの道に進むかの正念場においても、常に政治的解決という大きな方向性を堅持し、武力に訴えることに反対し、一方的な制裁に反対してきた。
協議の過程において、米國やイランがウラン濃縮活動の制限、制裁解除など焦點となる問題について互いに譲らない時、中國側は主導的に調停の役割を擔い、協議を先導し、各國の立場を調整し、未解決の問題に焦點を合わせ、「段階的・対等」「包括的解決」などの建設的な解決案を相次いで打ち出し、合理的な時間內で包括的合意にいたり、続いて段階的に実施することに鍵となる役割を発揮し、各國から高く評価された。
アラク重水爐は協議プロセスにおける難題で、各國の複雑な問題に関係し、合意を阻む最大の障害となった。中國は獨自の技術的優位性を利用し、中國の案を提出し、最終的にこの厄介な問題を取り除き、最終的な合意形成に導いた。中國はさらに米國と共にアラク重水爐改造プロジェクトをリードし、イラン核問題最終合意「履行日」の早期到來を可能とした。
中國は國連安保理常任理事國として、國際平和・安全における自らの責任と義務から、イラン核協議の全過程において常に是非曲直に基づき、正義を主張し、私利を図らなかった。現在歐米とロシアの関係が悪化し、米國とイランの信頼が大きく欠如している中、中國はイラン核協議の6カ國において唯一各國と話せる國と言える。
イラン核協議においても、その後の履行においても、中國の積極的な調停と調整が不可欠だ。
イラン核問題の最終合意は各國の利益のデリケートで脆い均衡であり、その履行は平坦な道とはいかず、曲折に満ち、さらには反復があるかもしれない。36年以上敵対してきた米國とイランの和解が容易でないのはさておき、中東情勢の複雑さ、宗教、地政、民族的摩擦だけでも合意の履行過程に多くの可変的要素をもたらす。イラン核問題の最終合意の今後の履行には依然として関係國の政治的責任感と外交的知恵が必要だ。
(人民網日本語版)
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