
森村氏は、取材に対して次のように話した。 毒ガス実験について言えば、當時、毒ガス室の外に立ち、ストップウォッチを握り、母と娘が息絶える時間を計る兵士がいた。その兵士は、當時の様子を振りかえり、涙を流し、両手のこぶしを握りしめていた。彼にも妻と息子 娘がいるが、冷靜に母と娘が息絶える時間を計測したという。人間がそんなことをできるなど信じられるだろうか?元兵士が當時を振り返った瞬間、彼に人間性が戻ってきた。
終戦後、兵士らはやっと人間に立ち戻った。彼らの多くは、戦後症候群を患った。戦爭が終わって初めて、彼らは、自分たちが戦爭中に行ったことが、悪魔の行為そのものだと認識した。ほとんど全員が反省した。戦爭は、人間を精神的に人間でなくならせる。人間は戦爭中、非人道的な精神世界を構築するようになる。
森村氏は、著書の中で、「私たちも、七三一部隊の延長線上に立っている。再び戦爭が始まるようなことがあり、同じ狀況に立たされれば、當時の彼らと同じような殘酷極まる悪魔の行為をする恐れがある」と読者に警告を発している。
