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中國の専門家、米國がロシア・ウクライナ危機から得る利益を説明

新華社 | 2022-03-11 15:13:59 | 編集: 陳雨寧

   5日、ルーマニアのブカレスト北駅で、ウクライナの人點を手助けする地元ボランティア(左端と右端)。(ブカレスト=新華社配信)

   【新華社北京3月11日】國際情勢が複雑かつ不安定な中、中國でこのほど開かれた「両會(全國人民代表大會と中國人民政治協商會議)」の外交部長記者會見は、國內外の世論の注目を集めた。中國外交學院の王帆(おう・はん)副院長は、新華社傘下のネットメディア「新華網(しんかもう)」の取材に対し、今回の記者會見が発した重要なシグナルについて解説した。

   王氏は、米國こそロシア・ウクライナ危機を作り出した張本人だとする同氏の考えについて記者から具體的な説明を求められ、米國が今回の危機で得る地政學的、政治的、経済的利益について次のように述べた。

   米國の戦略はグローバル覇権戦略と呼ばれている。米國は実際に冷戦終結の直後から、覇権をいかにして持続させるか、永続的覇権にするかを考えてきた。米國はその時點で、十分かつ有利な機會を得たと考えていた。つまり、舊ソ連という敵がなくなり、米國が唯一の世界の覇者となったのだと。當時、米國の多くのメディアや専門家は、世界が「一極世界」に入ったとし、そのようなモデルを21世紀まで持ち込むべく議論していた。

   グローバル覇権の重要な特徴は、地域の安定や地域の連帯と協力に基づくのではなく、往點にして地域間の分裂、地域や國同士のけん制に基づく點にある。米國はそこからより有利ないわゆる「オフショアバランサー」の地位を得ることができていた。

   冷戦終結後から現在に至るまで、米國が進めてきたのはそうした戦略だった。東アジアでは、米國は中國と日本の間の矛盾が深まるようあおり続けてきた。日本が中國と協力する一面を出そうとすると、米國は日本に圧力をかける。米國のこの地域での狙いが、これらの國點の相互けん制による均衡、さらには消耗にあるのがよく分かる。

   歐州では現在、米國がなぜロシアの軍事行動につながるような現狀を作り出したのかを多くの人が議論している。実際は北大西洋條約機構(NATO)の5回にわたる東方拡大が原因なのだが、ではNATOの東方拡大の目的は何か。ロシアから見れば、ロシアは西方に拡大しておらず、他の歐州諸國に直接の脅威を與えてもいない。これは米國も認めている。ではなぜ東方拡大を続けなくてはならなかったのか。それには非常に複雑な背景があるが、一つにNATOの結束力を高めることが挙げられる。NATOは冷戦後も存在し続ける必要があったのか。NATOは新たなライバルとしてロシアに照準を定めた。NATOはロシア脅威論により東方拡大を続けることができた。歐州內でロシアに対する警戒感と敵意は高まったが、ロシアは反発を強め、ロシアと歐州間に現在のような対立と矛盾が形成された。米國の目的は、歐州が一つにならないよう分裂させることにある。當時はロシアもNATO加盟の意向を示したが、結局拒否された。ここからも、米國の戦略的意図をはっきり見ることができる。

   現在のロシアとウクライナの衝突には、ロシアを弱體化させ、米國にとって大きな懸念材料や長期的脅威とならないようにするという側面がある。加えて周知の通り、米連邦議員が話したことだが、衝突が起こり、戦火が上がりさえすれば、米國の軍需産業は各種の軍事支援や武器供與、武器実験など、そこから多くの利益を得ることができる。

   さらに、ロシアとウクライナ間の天然ガスを巡る爭いを逆転させる側面もある。両國はずっとこの問題で爭ってきたが、ロシアは歐州にとって最も重要な天然ガスと石油の供給國の一つであり、ドイツは石油の半分以上をロシアから調達していた。ロシアとウクライナの対立が激化する以前、ドイツとフランスはまだ態度を決めかねていたが、今は明らかに変化が生じ、対ロ制裁に參加し始めた。この種の制裁は、実のところ米國が最も望んでいたものだ。歐州のこうした混亂が株式市場に與える影響や、投資に與える影響、これらの資金や資本が米國に流れるであろうことも含め、一連の事象は全て、米國にとって危機からの収穫であり、危機によって得られる利益となる。

 

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