
河北省邢&市隆堯県の収集家、黃連有さんが所蔵する邢窯(內丘県南嶺窯跡)から出土した五代時代(907年−979年、中國の五つの王朝が興亡した時代を指す)の磁器「白釉花口盞」と「盞托」(さんたく、一種の茶托)。(新華社記者/曹國廠)
【新華社石家荘6月2日】中國河北省邢&市隆堯県のある「邢窯磁器(けいようじき)」の収集家は、30年以上にわたって邢窯磁器の破片の標本2萬點余りを所蔵してきた。そのうち最も古い物の歴史は、今から1500年以上前の北朝時代(386年ー581年)にまで遡れるという。
今年57歳になる黃連有さんは1980年代末から邢窯磁器の標本を収集し始めた。長年にわたり邢窯磁器を収集・研究してきたことから、同省の名窯研究會のメンバーに迎えられた。
邢窯は中國で最も古い白磁窯跡だ。白磁の発明は、中國の磁器製作史上畫期的な意義を持ち、これまでの「青磁だけが優れて尊い」の時代が終わっただけでなく、更には、中國の後世に主流となる模様が施された磁器の生産、特に粉彩磁器の生産に條件を作り出したことを示している。
史料には、邢窯の白磁製品は精美で、量産することができるため、中國や海外の物質生活に計り知れない影響を與えたと記載されている。中國人の學者が1920年代から邢窯の研究を行ってきたが、満足のいく結果が得られなかった。
邢&市臨城県にある陶磁器工場が1980年代の初めに「邢磁技術復活グループ」を発足させ、祁村、崗頭、山下を含む臨城県內の古い磁器窯跡17カ所を調查したことから、邢窯の神秘のベールが開かれた。現在、內丘県、臨城県、邢&県などで北朝時代から元(1271年ー1368年)の各時代にかけて使われた窯場遺跡30カ所余りが見つかっている。
黃連有さんは長年の研究を経て、邢窯資源が枯渇するに伴い、一部の窯職人が北の定州へ赴き、宋の時代(960年-1279年)の「官窯磁器」(宮廷向けに作られた磁器)である「定窯(現在の河北省保定市曲陽県)磁器」を作るようになったと考えている。定窯は宋の時代の5つの著名な官窯(汝窯、官窯、哥窯、鈞窯、定窯)の一つにあたる。(記者/曹國廠)












