中國観光研究院と旅行予約サイト・攜程旅遊がこのほど共同で発表した「2017年上半期中國海外旅行者報告」の「2017年上半期海外旅行出発都市上位20」ランキングでは、上海、北京、広州がベスト3に並んだ。上位20位入りした都市は、一線都市を除くと殘りは観光旅行市場の「新一線都市」ばかりだ。新一線都市は成長ペースが速く、消費能力が高く、その大部分が毎年のべ100萬人から200萬人の海外旅行客を送り出し、その數は増加を続けており、大手オンライン旅行會社の配置の重點にもなっている。中國経済網が1日に伝えた。
▽上半期中國海外旅行客數はのべ6203萬人で5%増加
國家観光局がこのほど発表した統計データによると、2017年上半期に中國の海外旅行客(アウトバウンド観光客)はのべ6203萬人に達し、前年同期ののべ5903萬人より5%増加した。同期の訪中観光客(インバウンド観光客)はのべ6950萬人で、インバウンドがアウトバウンドをのべ747萬人上回り、國際観光収支は黒字を保った。同報告の予測では、17年の中國國民のアウトバウンド消費額は16年の1098億ドルをさらに上回るとしている。
インターネットが中國のアウトバウンド観光を後押しする重要な原動力になっており、オンライン旅行サイトと攜帯電話が中國の観光客にとって下調べや検索や予約の重要ルートとなっている。攜程をはじめとするオンライン旅行會社は日本、シンガポール、米國、歐州などでも配置や投資を進め、中國人観光客にサービスを提供している。
17年には中國のパスポートの「重み」がさらに増し、世界各國が中國人観光客を迎え入れるために力を盡くした。中國國民が観光旅行に出かける國が拡大を続け、現在は153ヶ國に達する。外交部門のまとめた統計では、7月11日現在、中國の普通パスポートを持った中國國民に入國に関して何らかの優遇を提供している國・地域は65ヶ國・地域に登る。普通パスポートでビザ(查証)を相互に免除する國が10ヶ國、中國國民に対してビザを免除する國が16ヶ國、中國國民に現地ビザの発行を認める國が39ヶ國で、歐州のセルビアやモンテネグロも対中ノービザを検討中だ。
現在、全國で個人が保有する普通パスポートで有効期間內のものは1億2千冊に達する。つまり、中國人の10人に1人がパスポートを持っているということ、また中國人の90%はまだアウトバウンド市場に足を踏み入れておらず、市場の潛在力は依然大きいということだ。
▽新一線都市が発展 大都市でパスポート申請し出発する必要なし
上海、北京、広州は中國の3大出國地だが、新一線都市はアウトバウンド観光市場に貢獻する最大の新顧客クラスターであり、その消費能力は一線都市に引けを取らない。
攜程の上半期における100萬人規模のアウトバウンド自由旅行・団體旅行サービスの利用者數を踏まえ、同報告は「2017年上半期海外旅行出発都市上位20」を発表し、上海、北京、広州、成都、深セン、杭州、南京、武漢、天津、重慶、廈門(アモイ)、長沙、昆明、西安、瀋陽、哈爾浜(ハルビン)、南寧、福州、青島、寧波(ニンポー)が並んだ。前年同期と比較すると、上海、北京、広州のトップ3には変化がないが、昨年6位だった成都が4位に躍進した。
同報告によれば、上位20都市のうち、一線都市を除くと殘りは観光旅行市場の「新一線都市」ばかりだ。新一線都市は成長ペースが速く、消費能力が高く、その大部分が毎年のべ100萬人から200萬人の海外旅行客を送り出している。國際路線の定期便やビザ手続きセンターの増加により、新一線都市の人點は大都市まで行ってビザを申請したり出発したりする必要がなくなった。新一線都市のアウトバウンド観光は成長を続けており、大手オンライン旅行會社の配置の重點にもなっている。
同研究院の戴斌院長は、「10數年に及ぶ高度成長を経て、アウトバウンド観光市場は中低速の安定成長を遂げる新常態(ニューノーマル)にさしかかっている。アウトバウンド観光市場の基礎を支える中産階級は、海外での消費行動が初期の『爆買い』から『ゆったり過ごす』へと変わりつつある。ホテル、食事、買い物から文化的消費まで、1ヶ所でゆっくりと、フリーツアーのスタイルで、旅行先の暮らしをじっくり體験することを望む人が増えている。理性的な消費の時代が訪れ、海外旅行の予算の半分以上を佔めていた買い物の割合が下がり、海外旅行支出の増加率を効果的に引き下げている。
攜程のアウトバウンド観光の専門家によると、「中國のアウトバウンド観光は『消費バージョンアップ』の段階に入り、支出を増やしてより質の高い旅行商品を購入するようになり、海外旅行の目的が観光から海外の質の高い生活環境やサービスを味わうことへと変わりつつある。気候や空気、物価、商品、醫療、教育などだ。今後は毎年少なくとも1回は海外へ出かけるのが、中國の中産階級の新たなスタンダードになるとみられる」という。
(人民網日本語版)
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