
中國社會科學院外國文學研究所の研究員・許金龍氏が編集を擔當し、中國と日本の著名な學者からなる専門家チームと上海訳文出版社が企畫した「當代日本文化思想の翻訳集」(全5巻)がこのほど刊行された。同書には、中國語に翻訳された大江健三郎や奧平康弘、沢地久枝、三木睦子、井上ひさし、小森陽一、高橋哲哉などの日本の作家、學者の著述が収められており、中國人が日本で起きている大きな変化や日本の右翼が庶民の心を捉えることはできていないこと、平和を願う庶民の聲などを理解する助けとなる。人民日報海外版が報じた。
日本が戦爭を永久に放棄し戦力を保持しないと定めた第9條を含む日本國憲法の改訂を阻止するために、日本の護憲派の作家9人で2004年に結成された「九條の會」など、日本には戦爭に備えて軍事力を拡大することに反対する平和的な勢力が終始存在しており、日に日に聲を高めている保守的な右翼勢力とたゆまず戦っている。「九條の會」は現在、100萬人以上の會員を抱えている。しかし、正義のための彼らの戦いは、中國ではほとんど知られていない。今回刊行された翻訳集は、中國の読者が彼らの聲を理解する窓口となるだろう。ノーベル文學賞受賞作家である大江健三郎が執筆した、アメリカ軍の基地が數多くある沖縄に目を向け、本土とは、日本人とはなにかを見つめなおす「沖縄ノート」、「九條の會」のメンバーが右翼勢力に提訴された狀況を記した「記録・沖縄『集団自決』裁判」、井上ひさしの広島の原爆をテーマにした反戦戯曲「父と暮らせば」、思想史研究者・子安宣邦の日本の近代民俗や文化、中國文化の研究に立腳し、精神的な角度から思想と態度の変化を分析する「日本近代思想批判」、大江健三郎ら著名な左翼支持者の講演や談話をまとめた「いま、憲法の魂を選びとる」などの作品は、「あまり知られていない正義」の聲を代表している。そこには、歴史を反省し、民族の精神を探求し、庶民の生活を紐解く正義が詰まっている。
(人民網日本語版)
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