1956年、梅蘭芳氏(故人)が率いる京劇訪日団の日本公演時、日本側スタッフの一員であった稲垣喬方氏(85)が北京を訪問、5月11日、當時の資料數百點を北京護國寺街にある梅蘭芳記念館に寄贈しました。
「60年間溫めてきた寶だ。今日は娘を嫁がせる気持ちで梅蘭芳記念館に寄贈する。良い嫁ぎ先が見つかったので、とても嬉しい」
厚さにして約8センチの資料を秦華生館長に手渡すと共に、稲垣さんは微笑みながら胸中の思いを語りました。
北京 護國寺街9號の梅蘭芳記念館入口
梅蘭芳像をバックに行った贈呈式
これら資料には、1955年、市川猿之助が率いる大歌舞伎訪中公演時のもの、またその翌年、日本側の招きに応じ、梅蘭芳氏が率いる京劇団體の訪日公演前後の中日雙方における新聞報道、舞&裏の寫真、梅蘭芳氏や同じ京劇役者である娘の梅葆玥女史 息子の梅葆玖氏からもらった記念寫真、上演演目の紹介パンフレット、中日のスタッフ同士の往來書簡などが含まれています。中には、訪日団帰國後、梅蘭芳団長と劇作家の歐陽予倩副団長二人のサイン入りの禮狀も。これまでは、稲垣さん個人所有のものとして、60年余りにわたり自宅で丁重に保管されてきた資料ですが、「自宅で眠っているよりは、もっとたくさんの方たちに當時のことを知ってほしい。その一助になれたら嬉しい」と、寄贈にあたり、その思いを語られました。
関連記事:












