中國からの訪日客數は過去一年間で大きく伸びた。日本側の見込みによると、中國人訪日客數は2014年、延べ200萬人の大&を初めて突破し、240萬人前後に達する。中國國家観光局駐日事務所の張西竜所長は中國新聞社による単獨インタビューで、中國人訪日客數の伸びは複數の要素の結果であることを説明した。
張所長によると、中日の國交が回復した40年余り前から、日本は長期にわたり、中國の観光市場の最大の海外観光客源となってきた。一方、中國人の訪日観光の増加はここ十數年の現象にすぎず、急成長しているのも自然な流れと言える。改革開放30年余りで中國経済は大きく発展し、個人は財産を蓄えている。中國人の海外旅行の伸びには、中國の開放という背景がある。中國人の海外旅行は昨年、延べ約1億2千萬人にのぼった。隣國の日本は文化的にも近い。また國交回復初期に日本の映畫などの文化作品が大量に輸入され、深い印象を受けた世代が、海外旅行の主力になりつつあることも、日本旅行を希望する人の増加に影響している。
中國と日本は、経済協力と文化交流を長期にわたって大きく発展させてきた。定期便が23都市間に就航するなど交通環境の整備も観光交流の成長を支えている。中國と日本の周辺には、中國人の海外旅行市場をターゲットとした交通運輸體系が形成され、中國人の訪日観光は非常に便利になっている。
また昨今は、「アジアへのリバランス」という米國の政策で東南アジアの一部の國と中國の関係が亂れ、安全への懸念が生まれており、一部の中國人観光客の目的地を日本に向かわせている。
さらに忘れてはならないのが、日本の各政権が10年余りにわたって「観光立國」戦略を進め、外國人観光客市場の拡大をはかり、中韓や東南アジアなど近隣諸國で観光プロモーションを行ってきたことだ。日本では、観光國としてのイメージを広め、國家ブランドを形成するための専門チームが育成され、海外での宣伝活動が長期にわたって続けられてきた。
中國人の訪日客數の増加が伸びているのに比べると、日本から中國への観光市場の不振は目立つ。中國の予測データによると、日本の訪中客數は昨年、わずかに減少して約270萬人だった。業界の分析によると、日本で海外旅行の規模全體が縮小していることも原因の一部だが、日本の訪中観光市場には特殊な影響因子もある。政治や外交関係がぎくしゃくしていること、円安持続や人民元上昇で割高感があること、中國の環境や食品安全などでネガティブな報道を日本メディアが繰り返していることなども、日本人の訪中観光に影響を與えている。
日本の政府や自治體の観光立國戦略で、外國人観光客の呼び込みが一方的に重視され、日本人の海外旅行が軽視されたことも、この対照的な傾向の要因となっている。この不釣り合いの狀況は日本でも問題となりつつある。日本旅行業協會の田川博己會長はある業界団體の會合で、日本は海外旅行者年間延べ2000萬人という目標を10年にわたって掲げてきたが、この「悲願」は依然として実現できていないと語った。田川會長によると、その原因は、日本の政府や自治體の観光産業政策が外國人の訪日観光市場拡大という目標しか掲げてこなかったことにある。法的な手段から財政の投入、人才の育成まで、外國人の訪日観光市場ばかりが注目され、日本人の海外観光市場の管理や投資に目が行き屆いていなかったことが、日本人の海外旅行市場の拡大を妨げている。
(チャイナネット)
推薦記事:
中國人訪日客が激増、次はあなたの番?
日本は中國人に対する數次往復ビザの発給條件を緩和
日本観光の新キーワード