23日、東京で開かれた衆議院本會議。額賀福志郎議長が解散詔書を読み上げ、衆院が解散した。(東京=新華社記者/賈浩成)
【新華社東京1月24日】日本の高市早苗內閣は23日、衆議院解散を閣議決定し、同日召集された通常國會の冒頭で衆院が解散した。通常國會開幕日に衆議院が解散されるのは60年ぶりとなる。
高市首相が「抜き打ち解散」に踏み切り、選挙を前倒ししたことについて、世論は三つの政権危機を抱える中での大きな賭けと受け止めている。中道左派と位置付けられる野黨勢力が連合するなど、政界再編の動きもすでに表面化しており、今回の選挙は日本政治の勢力図を塗り替え、今後の政治路線に長期的な影響を及ぼす可能性がある。
▽政権の三つの危機
日本國內では、高市氏が國會審議に入る前に衆院解散を斷行した背景について、審議が本格化すれば政権運営が一層困難になると判斷したためとの見方が広がっている。高市氏は現在、次の三つの大きな危機に直面している。
第1に、不安定な政権基盤。連立與黨は參議院で少數派にとどまり、衆議院でもかろうじて過半數を維持しているにすぎない。高市氏が率いる自民黨は、連立相手である日本維新の會との間に政策的な隔たりを抱えるほか、黨內でも麻生太郎氏や舊安倍派勢力の影響を受けているとされる。
第2に、相次ぐスキャンダル。高市氏自身が問題のある宗教団體との関係を報じられたほか、複數の政府高官や日本維新の會の地方議員らについても、政治資金を巡る疑惑が浮上している。これらは國會審議で野黨の格好の攻撃材料となり得る。
第3に、長引く経済低迷。高市氏は物価高への対応として財政支出の拡大を進めてきたが、目立った効果は上がっておらず、國債利回りの上昇や円安の進行といった問題はむしろ深刻化している。
さらに専門家の間では、高市氏が最近の外交で重ねた一連の不適切な言動が、春以降、経済面での逆風として集中的に表面化する可能性があるとの指摘も出ている。
衆院の首相指名選挙に臨む自民黨の高市早苗総裁(前列右から2人目)。(2025年10月21日撮影、東京=新華社記者/賈浩成)
▽高市氏が賭けた二つの前提
高市氏は今回の選挙について、「與黨で過半數の議席を獲得する」ことを目標に掲げ、「首相として進退をかける」と発言している。ただ、世論の多くは、高市氏の真の狙いは衆議院で自民黨単獨過半數を回復することにあるとみている。
高市氏が「抜き打ち解散」を決斷した背景には、二つの前提に賭けた判斷が透けて見える。
一つは、短期決戦が自民黨に有利に働くとの読みだ。突然の解散は、自民黨を含む各黨にとって不意打ちとなったが、全國最大規模の政黨である自民黨は人材の層が厚く、各選挙區で適切な候補者を迅速に擁立しやすい。一方、野黨側は候補者選びでより大きな困難に直面している。
もう一つは、自身の支持率である。ただ、専門家やメディアは、個人の支持率がそのまま政黨支持率に結び付くわけではないと指摘する。自民黨は前回選挙で「裏金」問題を背景に議席を減らしたが、この問題はいまだ根本的に解決されていない。高市氏が今回の候補者選定で、裏金問題に関與した議員の公認を決めたことは、有権者の不満を再燃させる恐れがある。
▽政界再編の行方
「抜き打ち解散」を受け、最大野黨の立憲民主黨と公明黨は連攜し、新黨「中道改革連合」を結成して、高市氏率いる連立與黨に対抗する構えを見せている。朝日新聞は、両黨の連攜が選挙の構図を大きく変える可能性があると分析している。
法政大學の白鳥浩教授は、「中道改革連合」は自民黨に迫る議席數を獲得し、與野黨の勢力が拮抗(きっこう)する狀況が生まれる可能性があるとの見方を示す。
また、山口大學の纐纈(こうけつ)厚名譽教授は、両黨の連攜によって「中間勢力」の結集が進み、新黨が一定の支持を得られれば、中道路線が定着する足掛かりになり得ると指摘する。
纐纈氏は、今後は右派と中道左派勢力のせめぎ合いが日本政治の大きな特徴となる可能性があるとした上で、近年急速に&頭する參政黨などの極右勢力も、今回の選挙を通じて影響力を拡大する恐れがあると述べた。長期的には、日本の政局は一層不安定化し、不確実性が高まるとの見方を示している。