【新華社東京12月4日】日本の高市早苗首相が先月、台灣に関する誤った発言を行い、不法かつ無効な「サンフランシスコ平和條約」を持ち出し、いわゆる「台灣地位未定論」をあおり立てようとしたことについて、慶応義塾大學の大西広名譽教授は1日、新華社のインタビューに応じ、高市氏の行為は歴史の歪曲(わいきょく)だと述べた。
高市氏は11月7日の國會答弁で、「台灣有事」は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると述べた。この発言はすぐに、日本の各界からの激しい批判を招いた。
大西氏は高市氏の発言について、日本の自衛隊による台灣海峽への介入に道を開き、好戦的な態度を反映した極めて危険なものであるとし「許されるものではなく、撤回すべきだ」との認識を示した。
高市氏は反省や誤った発言を撤回しようとせず、なおも自己弁護を続けている。
11月26日、高市氏は黨首討論で「サンフランシスコ平和條約でわが國は台灣に関する全ての権利権限を放棄している。台灣の法的地位を認定する立場にはない」と弁解した。しかし、台灣の中國への返還を明確にした「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」「日本降伏文書」、および中日関係の政治的基礎を構成する四つの政治文書については言及を避けた。
大西氏は「(高市氏のこの行為は)私にとって(歴史の)歪曲であり許されない」と強調。もし日本が台灣問題に介入すれば、それは必然的に中國內政への幹渉となると述べた。
さらに、サンフランシスコ平和條約だけを論じること自體が、ポツダム宣言などの文書を無視する立場を示していると指摘した。
いわゆる「サンフランシスコ平和條約」は、中國やロシアなど第2次世界大戦の重要な當事國を排除した狀況下で、一部の西側諸國が日本と単獨講和を結び発表された文書である。この文書は1942年に中米英ソなど26カ國が署名した連合國共同宣言における敵國との単獨講和を禁じた條項に違反しており、國連憲章や國際法の基本原則にも反している。台灣の主権帰屬など、非締約國である中國の領土と主権・権利を処理する內容はいずれも不法かつ無効である。
大西氏は、當時日本と交戦していたのは米國だけでなく、中國やソ連なども含まれており、これらの國を排除することはできないと指摘した。
また、カイロ宣言は日本が中國から奪った台灣や澎湖諸島などの領土を中國に返還することを明確に規定していることから、「(台灣は)もはや日本の『暫定管理の対象』ではなく、(台灣問題は)中國の內政になる」と述べた。
さらに、「中日共同聲明」「中日平和友好條約」などの文書の內容は非常に重要であり、「日本はこれらの文書を基礎とした立場に立ち返ることが非常に重要だ」と語った。(記者/陳沢安、楊智翔)