雲南省普洱(ふじ)市の大開河梅子コーヒー農園で、コーヒー豆を天日幹しする従業員。(1月7日撮影、昆明=新華社記者/陳欣波)
【新華社北京11月19日】1杯のコーヒーから、中國市場の潛在力の大きさを知ることができる。中國のコーヒー消費量は2010年以降、15%以上の年平均成長率を保ち、世界平均の2%を大きく上回っている。現存するコーヒー関連企業數は25萬社を超え、今年1~10月の登録數は前年通期を上回った。
市場の大きさは伸び率だけでなく、餘地の広さにも表れている。24年の中國コーヒー産業の規模は3千億元(1元=約22円)を超え、1人當たりの年間消費量は22・24杯に達した。1人當たり消費量は歐米や日本、韓國などに後を取るが、これも中國のコーヒー消費市場に大きな成長性と餘地があることを示している。
中國の都市部の街中を歩くと、スターバックスなどの世界的コーヒーチェーン大手もあれば、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)、庫迪咖啡(Cotti Coffee)、MANNER COFFEE(マナーコーヒー)など中國発の新興チェーンもある。他とは異なる雰囲気や個性を打ち出したオーナーが経営するコーヒー店や、スペシャルティコーヒー店も次點に誕生している。1人當たり國內総生産(GDP)の上昇に伴い、國內需要は「物質型」消費から、QOL(生活の質)の向上を重視した「サービス型」と「體験型」消費にシフトしつつある。また、音楽、文化・旅行、スポーツ、無形文化財などとコーヒーのコラボレーションも広がり、人點はたった1杯のコーヒーではなく、エモーショナル(情緒的)な體験、文化的シンボル、ライフスタイルを購入していると言える。
2025年中國國際サービス貿易交易會のオーストラリアブースで、コーヒーを選ぶ人たち。(9月14日撮影、北京=新華社記者/李鑫)
消費サイドの規模の拡大と高度化は、國內コーヒー産業の成熟と発展をけん引している。上海市にあるコーヒーに特化した貿易プラットフォーム「虹橋國際コーヒー港」では、生産、研究開発、ライブ配信、デザインなど各サイクルの企業が集まり、「種子からカップまで」の整った産業エコシステムを構築している。江蘇省昆山市は製造業の強力な基盤を活かし、世界的に影響力を持つ1千億元規模のコーヒー産業を打ち立てた。越境電子商取引(EC)サイトでは、中國製のスマートコーヒーマシンなどが海外でよく売れている。
中國のコーヒー産業は消費サイドから産業チェーン全體の連攜まで、原料の産地からクリエーティブセンターまで、初期段階の「後追い」から、多くの分野における「並走」、さらには細分化分野の「リード」へと、大きく飛躍しつつある。