
7月27日、試遊會でゲームを體験する多數のプレーヤー。(北京=新華社配信/呉尤優)
【新華社上海8月5日】中國では夏休みに入って文化・娯楽消費が高まっており、ゲームやアニメに関連するさまざまなイベントが注目を集めている。
北京市にある首鋼三高爐博物館では、中國のゲーム大手、北京霊游坊軟件科技(S-game)が開発したアクションRPG「影之刃零(Phantom Blade Zero)」のオフライン試遊會が開かれた。
同博物館は、中國鉄鋼大手、首鋼集団の製鉄所跡地に建てられた複合施設「首鋼パーク」內にある。館內では、工業用ギアやパイプ、セメントなどの要素を組み合わせた円形の高爐の爐底部を囲むように、真新しいパソコンディスプレーがずらりと並び、照明と無數に垂れ下がった赤い糸の下で、鮮やかなコントラストを生み出していた。
「影之刃零」は、中國の古典文學「西遊記」を題材にしたアクションRPG「黒神話:悟空」に続く、ゲーム市場で最も人気の高いAAAタイトル(多額の開発費を投入した超大作、AAA=トリプルエー)の一つで、中國の武俠・カンフーを題材に革新的な架空世界を融合させた作品。中國武術の國內外での知名度とゲーム獨自の華麗な戦闘デザインから、海外のプレーヤーからの評判も高い。

7月27日、試遊會でゲームを體験するプレーヤー。(北京=新華社配信/呉尤優)
同作品のゲームプロデューサー、梁其偉(りょう・きい)氏によると、今回のオフラインイベントには世界各國からプレーヤーが體験に訪れたが、良質な體験を楽しんでもらうため、參加者數を千人ほどに制限したという。歐米からは約100萬人のフォロワーを持つ実況係インフルエンサーが多數參加。このうち100萬人超えのメガインフルエンサーは10人以上、參加した海外インフルエンサーのフォロワー數は合計で4千萬人を上回った。
「影之刃零」は、中國ゲーム関連イベントの盛況ぶりを象徴する一例と言える。上海市で7月4日から8月10日まで開かれている第1回「上海の夏」國際アニメ月間の一連のイベントには、國內外から100萬人以上の來場者・消費者が見込まれている。同月間の主要イベントとして、3日間にわたって開催された第20回中國國際アニメ・ゲーム博覧會には、アジアや歐州、中南米の約10國・地域から480の出展者が參加した。
中國國産ゲームはここ數年、獨自のスタイルと質の高いコンテンツで世界中のプレーヤーの注目を集めている。統計によると、昨年の中國獨自開発ゲームの海外市場における実質売上高は前年比13・4%増の185億ドル(1ドル=約147円)を上回り、過去最高を再び更新。今年第1四半期(1~3月)は前年同期比18・0%増となり、48億ドルに迫った。

7月27日、オフライン試遊會の會場で入場の順番待ちをする來場者。(北京=新華社配信/呉尤優)
具體的なゲーム事例から市場データに至るまで、中國製ゲームは多様なジャンルや洗練された作り、革新的なプレースタイルで、世界のゲーム市場で頭角を現している。
米國のゲームメディア関係者ダリ氏は、今回初めて中國を訪問し「影之刃零」の試遊會に參加した。同氏はゲームを試遊することで、伝統的な武俠の神髄を味わい、中國文化の奧深さに対する理解を深めたと語った。中國の伝統的美學と「サイバーパンク(SFのサブジャンル)」的要素を融合させた「カンフーパンク」と呼ばれる世界観を持つゲームは、中國文化に対する新たな認識をもたらしたという。
中國ゲーム業界は現在、「輸入」と「輸出」の両方に積極的に取り組んでおり、ますます多くのグローバルプレーヤーがゲームを通じて中國の文化とゲーム産業の活力を理解するようになっている。中國製ゲームが世界市場でシェアを拡大し、影響力を高めるのに伴い、グローバルプレーヤーは中國製ゲームを通じて中國文化の獨特な魅力をより手軽に體験できるようになった。これにより、中國文化もデジタル時代に世界の多様な文化と出會い、融合し、輝かしい光を放つだろう。(記者/趙逸赫)