
10月7日、山東省博興県の映畫館でポスターを見る人點。(博興=新華社配信/陳彬)
【新華社北京12月4日】中國のオンラインチケット販売大手、貓眼娯楽のデータによると、2024年の中國映畫興行収入は11月27日時點で400億元(1元=約21円)になった。この數字は前年同期を下回るものの、アナリストは中國映畫市場の強靭(きょうじん)さと潛在的な発展餘地に対し、依然として大きな自信を示した。
上半期(1~6月)の中國映畫市場は堅調で、主な休日の興行収入が好調だった。中國で最も注目される春節(舊正月)連休(今年は2月10~17日)期間に公開された4作品の映畫はいずれも今年の興行収入上位5作品にランクインした。うち安藤サクラ主演の日本映畫「百円の戀」(2014)のリメーク作「熱辣滾燙(英題:YOLO)」、カーアクション「飛馳人生(ペガサス)」(2019)の続編「飛馳人生2(英題:Pegasus2)」はいずれも興行収入が約34億元となり、今年の映畫市場をリードしている。
一方、6~8月の夏休み映畫の興行収入は振るわず、前年同期比44%減少した。10月の國慶節連休期間(10月1~7日)はごく普通だった。
貓眼娯楽の頼力(らい・りき)市場アナリストは新華社のインタビューに応じ、「全體的に言えば、映畫市場は変動しながら前進している」とし、春節などの重要な期間は映畫鑑賞に対する需要が依然として旺盛だが、絶えず変化する市場は映畫業界により高い要求を突きつけているとの見方を示した。
コメディ映畫の興行収入が好調だった。中國の映畫興行データ分析アプリ「燈塔専業版」の陳晉(ちん・しん)アナリストによると、コメディ映畫の今年の興行収入は200億元に迫り、興行収入全體の半分を佔めた。
中國映畫家協會と燈塔研究院が共同で発表した報告書によると、24年は観客の消費がより理性的になり、映畫関連消費の伸びが鈍化し、映畫業界は引き続き他の娯楽活動との競爭に直面している。
今年の興行収入上位8位はすべて國産映畫が佔めた。米ハリウッド作品の「ゴジラ×コング 新たなる帝國」は9億5700萬元で9位、日本アニメ作品の「君たちはどう生きるか」は7億9100萬元で10位となった。
海外映畫の興行収入には回復の兆しが見られた。陳氏は燈塔専業版のデータを引用し、海外映畫の24年の興行収入が11月27日時點で92億元を超え、前年を上回り、興行収入全體に佔める割合は約2割にまで回復したと説明した。
アナリストはハリウッド映畫について、中國ではもはや以前ほどの集客力はないものの、他の優れた海外映畫とともに、中國映畫市場のコンテンツ供給の多様性を広げているとの見解を示した。